「そこは、だれにも想像できないほど気持ちのいい、そしてふしぎな感じのする場所でした。庭を囲む高い塀は、葉のおちたバラのつるでおおわれていました。つるはびっしりとからみあっています…『静かなのはあたりまえだわ』と、メアリーは小声で言いました。『十年間、この中で話をした人はいなかったんだもの』」
春が来て、新たな命が土の中から姿を見せると、気難しいメアリーとコリンにも笑顔が見られるようになる。
生きることや愛することに少しでも不安を感じたことがある者にとって、勇気を奮い起こしてくれそうな『The Secret Gardedn』(邦題『秘密の花園』)。読むものをわくわくさせ、元気づけてくれる1冊だ。フランシス・ホッジソン・バーネットの描く人物はみな個性的で、85年たった今でも子どもたちの心をとらえて離さない。(9~12才児向け)