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邪馬台国と大和朝廷 (平凡社新書)

価格: ¥861
カテゴリ: 新書
ブランド: 平凡社
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【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:武光誠/著 出版社名:平凡社 シリーズ名:平凡社新書 224 発行年月:2004年05月 関連キーワード:ヤマタイコク ト ヤマト チヨウテイ ヘイボンシヤ シンシヨ 224 やまたいこく と やまと ちようてい へいぼんしや しんしよ 224、 ヘイボンシヤ ヘイボンシヤ 7600 へいぼんしや へいぼんしや 7600、 ヘイボンシヤ ヘイボンシヤ 7600 へいぼんしや へいぼんしや 7600 いまだ決着をみない邪馬台国の謎。しかし、問題の本質はその位置の謎解きにはない。日本列島古代の姿をどう見出していくか、その歴史的ヴィジョンの構想こそが重要なのだ。邪馬台国と大和朝廷との関係をどのように見据えるか。決定的なポイントは、この点にこそある。浮かび上がるのは連続と継承か、それとも征服と断絶か?古代日本統一のドラマにダイナミックに迫る。 第1章 現代の邪馬台国論争と大和朝廷第2章 大和か九州か第3章 考古学からの邪馬台
魏志倭人伝の徹底的な読み込み、諸説の紹介、考古学上の発見に基づく推論 ★★★★☆
私は日本の古代史に関しては井沢氏の「逆説の日本史(1)」ぐらいしか読んだことがないので、巻末の魏志倭人伝全文の読下し文と、新井白石から東大・京大教授、そして松本清張氏等に至る魏志倭人伝の解釈・考古学上の知見に基づく邪馬台国所在地の諸説を紹介してくれる本書前半は勉強になった。著者は、魏志倭人伝は基本的に正確な事実を述べており(一部方角の勘違いはあるが)、それを無視する邪馬台国論はあってはならないとの前提の下、北九州説を支持する。井沢氏が嫌う資料至上主義ではあるが、文献資料の合理的な分析から九州説が導かれることは参考になる。しかし、魏志倭人伝の卑弥呼の死に関する箇所で「以」を「すでに」と読むのは素直な読み方だろうか。ここは松本氏、井沢氏が何か欠落があるのではと考察しており、卑弥呼の死に関わる肝の部分だから本書で素通りすべきではないだろう。

一方、後半では纏向遺跡等の最近の奈良盆地での考古学上の発見をベースに、大和朝廷は邪馬台国と別個独立に成立し、大和政権が邪馬台国を含む北九州を征服したという立場をとる。その根拠として、魏志倭人伝に描かれた倭人の風俗は南方系であり、その多くが後世に伝わっていないことを挙げる。それなりに説得力はあるが、本書の後半部分は推論である。そして神武東征神話を軽視している。そもそも、邪馬台国と大和は音の上でも類似していると素人の私は思うのだが。

井沢説は纏向遺跡等の考古学上の最近の知見を反映していなかったものの、道鏡事件の際に皇室は何故伊勢神宮ではなく宇佐神宮の神託を求めたのか、そして宇佐神宮の拝礼方法まで検討して皇室の起源は北九州にあり、とする。この大胆な説も私には論理的・魅力的に思えるので、本書の著者はこれら事実をどう考えるのか、興味がある。
学説の整理にはいいのだが…… ★★★☆☆
邪馬台国論争の戦前戦後にかけての論点を整理し、邪馬台国と大和朝廷の関係を解き明かそうとした著者の視点は好感が持てる。しかし、学術的に信頼できるかというと、ずいぶんと疑問がある。専門的な部分は私は確かに疎いのではあるが、「纏向(まきむく)遺跡の文化のあり方と、仏教伝来直前に当たる6世紀はじめの大和の文化のそれとの共通点が多い事から見て、大和で急激な政権交代があったとはみられない。それゆえ、纏向遺跡を起こした首長が今日の皇室に連なると見て間違いがないであろう。」(15P)などと、ちょっと考古学をかじれば到底言えない事を平気で言っていたり(継体天皇断絶説を知らないのか)、著者が騎馬民族征服説の立場に立つのはまだいいとして、それを徹底的に批判した佐原真氏の説を紹介しないばかりか、弥生時代の権威だった佐原氏の名前が一度も登場しないような偏った学説の紹介のし方だと、この本は単なる「読み物」以外の何者でもないと判断せざるを得ない。まあ、全てが偏見に満ちた書物ではないと思うので、学説の整理には参考にはなるのであろう。