日本書紀と古事記
★★★★☆
この二つの古典の名前は知っていても、学生時代に習った程度の知識しかなかった。
8世紀の初めに作成されたこれら2つの書の記述のうち、特に6世紀以前の記載内容を紹介するとともに、その内容が伝説や創作ではないかと検証している。
しかし歴史とは、記録に残っていないものは事実として扱えないし、後になって書かれたものや書く人の立場で見方が変わるのだからややこしい。日本書紀と古事記との記載の相違、好大王碑、鉄剣の刻文字、中国の史書の記載の様々な解釈を紹介し、そこから導き出される数々の説を紹介している。
それぞれの立場によって、邪馬台国の論争のように、素人からみれば不毛な論争もあるが、証拠が少なく解釈が多様であれば仕方ないなと感じた次第。こういった歴史へのアプローチも面白いものです。