だが、この二版は、少なくとも理論面において、全般的な改訂とはなっていない。おおよそ、30年前の理論を蒸し返しているだけに終わっている。三つのモデルからは依然見直す点も多いが、"bounded rationality" "organization theory"等の社会経済学における制度分析の発展を鑑みれば、今この三モデルを見直すことにより得られるものは多くはないかもしれない。
だが、古典は古典であり、やはり国際政治のパラダイムをとにかく再確認するうえでは欠かせない一冊であろう。
また、この本を基に、官僚政治、行政、意思決定、対外政策といった多くの派生的サブカテゴリが政治学から生まれた。この事実を鑑みれば、この本の意義は依然大きいといえる。