トンデモが入ってなければ、星5つ
★★★☆☆
著者は、中国の帝国=超大国化は、世界史の常態であり、かつ漢民族国家が侵略国家
だったことは2世紀以降なく、世界の各国にとって脅威でもなんでもないという。さらに、
欧米資本主義国は、いまでもアフリカや中南米を新植民地主義で収奪しているくせに、
平等に商品と資源を交換しているだけの中国を、批判するのは間違いと主張している。
--こうした著者の見方には大賛成なのだが、大きな問題がある。
裏づけの中、マカオ取材などまっとうなもの以外に、9・11陰謀説や、四川人工地震説
などトンデモ(突っ込みどころ満載)が混ざっている点だ。このため、心ある人は一歩
引いてしまい、結論にも疑問を持つことになるのが惜しまれる。
これも闇の権力の陰謀?
四川大地震はアメリカの画策!?
★★★☆☆
アメリカと中国が覇権争いをする中で、四川大地震とチベット騒乱はアメリカの支配者たちによって画策されたものだという仮説を論じるのがメインパート。
四川大地震が、9/11と同じようにアメリカの一部の人たちによって人為的に「つくられた」という説明を突飛に感じる人は多いと思う。しかし本書を読んでみると、まぁそういう可能性もあるかな、と思ったりする。筆者はSARSや鳥インフルエンザも同じようにアメリカの支配者が意図的に作り出したものだと説明する。
「そうかもしれないな」と思わせる材料はいろいろあるようだ。筆者は取材や報告書などから、その証拠材料をもってくる。第二次世界大戦中のひとつの兵器として「地震」が考えられていたこと、四川周辺には核開発関連の施設があることなどを説明していく。さらに、SARSや鳥インフルエンザについては、中国の人口を削減し、その覇権国としての勢いを弱めるための人口削減生物兵器として筆者は位置づけている。
こういう仮説は、確かめるのがなかなか難しいと思う。大地震で中国を混乱させたり、チベット騒乱で中国崩壊のきっかけをつくったりするインセンティブを、アメリカの支配者たちは持っているだろうと思うけれど、では実際に彼らがやったのかというと、その確認は不可能だろう。だから、事実の積み重ねで勝負していくしかない。そういう意味で筆者は記者としてのスキルと才能を十分に活かしているように思えた(偉そうで何ですが・・・)。加えて、確認不可能なところに想像力をかき立てられる面白さがある。
本書の面白さは、そうした「陰謀説」がどう根拠付けられていくかにあると思う。全体的には議論が拡散しているイメージがあるが、文章は読みやかった。
中国が目指す大東亜共栄圏構築を正しく導くことが日本の歴史的課題
★★★★★
著者の本は「さらば小泉グッバイゾンビーズ」以来ですが、船井幸雄さんの推薦の通り、いくつかの驚愕の真実を知ることが出来、世界の成り立ちや動向を自身で見極める上で大変勉強になりました。
フォーブス誌のアジア太平洋支局長も務めた親日の著者は、中国の四川大地震が米国の地震兵器だとする等の米国の悪行の数々と中国の台頭と米中の戦いの遍歴を紹介し、いくつかの自説を展開されていますが、個人的には信じるに足る内容だと思います。
そして本書の総括として、中国が強欲思想の米国との資源・金融・軍事闘争で勝ち続ける一方で、解決の糸口が見えない「環境汚染」「国内格差」「人口問題」を抱える中、かつて日本が夢見た大東亜共栄圏を目指し、日本の協力を必要としており、数々の文化の良い所を吸収し発展した日本には文化的にもまた世界一の対外債権国として金融資本的にも、中国に義を説いて彼らの大東亜共栄圏を正の方向へ昇華させる実力があり、それが現代日本人に課せられた使命だと説きます。
つい先日南京の出身の同僚が、(少なくとも彼の周りの)南京の人は日本人を憎んでいないですよ。本当に信じられるのは日本人の友達ぐらいですと語ったのが印象に残っていますが、著者が説くように、日中が共同で今のお金中心の世界から義や信中心の新しい世界思想を生み、21世紀が素晴らしいアジアの時代になることを願って止みません。
なかなか
★★★★☆
この作者の本は初めて読みました、まず一番最初の注意を引かれたのは、表紙
清朝の皇帝の肖像画の美しさ、中の文章、こんな書き方も有るんですね、
現実と、虚構?フィクション?のスムーズな行き来、もしかすると本当のこと
かも知れませんが、これはこれ、情報としての、切り口は素晴らしい、
そっから先は、誰にも証明できない。
でも、本当にも感じる腕はなかなか 中国と米国愛憎混じるラブストーリー
なのかも、日本もこんな戦略的な動き、早くできるようになって欲しいな、
掃除大臣様
世界経済の将来が分かる!!
★★★★★
本書はほぼ同時期に刊行された『リアル経済学』より内容も充実しており、非常に興味深く世界経済について学ばせてくれる著作。ベンジャミン・フルフォードさんが陰謀論とジャーナリズムの曖昧な境界線の中で紡ぎだした本書は地球の覇権を巡って現在壮大な戦いがアメリカと中国で起っており、没落しつつある大国アメリカが悉く中国に負けている事が示唆される。ほんのちょっとした事件や事故も背後には巨大な謀略の文脈が横たわっていること、また、常に西洋文明によって虎視眈々と狙われているナイーブな日本の存在が、実は世界を救済する可能性を秘めていることを教えてくれる。タイトルだけでは中国一国についてのルポに見えるが、実際は中国を枕詞に世界の行く末を描いた作品。公にされていないがおそらく存在するであろう地震兵器、民族をより分けて殺戮する細菌兵器の恐怖と謀略をものともしないBRICSの勃興等など興味は尽きない一作。