インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

クオリア入門―心が脳を感じるとき (ちくま学芸文庫)

価格: ¥819
カテゴリ: 文庫
ブランド: 筑摩書房
Amazon.co.jpで確認
私たち一人一人は「素朴な脳科学者」である。 ★★★☆☆
「薔薇の赤い色」のように私たちの感覚に付随する鮮明な質感をクオリアという。

このクオリアがどうもよくわからないので、自分の脳で実験してみる。

赤ワインを一口、口に含むと、甘みや渋み、酸味、果実味、樽香などが感じられる。それらは、それぞれこのワインに特有の鮮明な質感をもつが、「薔薇の赤い色」のように明確な輪郭で切り取ることはできない。甘みや渋み、酸味、果実味、樽香などの味覚の要素が脳内で統合されて、一つの赤ワインの表象として、口の中に広がる。しかも、その味わいは、経験(学習)とともに深みを増していく。つまり、全く同じワインを同じ人間が味わっても、経験により脳が感じる味は同じではない。ワインを口にして感じる甘みや渋みをクオリアというなら、著者のクオリアとは微妙に異なるようだ。

心の問題は、客観的に捉えることが難しく、科学の対象になりにくい反面、著者も言うように私たち一人一人が「素朴な脳科学者」として、自分の心に向き合い、様々な仮説を自分なりに検証できるところに面白みがある。

本書はエッセイとして読むには良いが、科学的な読み物としての評価は少し辛めとした。
クオリアの弱点は、、、 ★★★★★
クオリアの弱点は、、、
クオリアは第一原因と置き換え可能なこと。
第一原因とは、すなわち神。
もしくは、神が作りたもうたもの。

よいところは、思想家なら、この第一原因の付近にあるモノは、「」をつけて保留します。
あえて、間違うことで、なにか新しい発見があるかも知れません。
なので、星五つ。
あなたはこの本を読んで、何か理解するものがありましたか? ★★☆☆☆
不思議な容貌の人物が何か深遠な真理について語っている…といった
持ち上げられ方をしているが、私はどうもこの著者を好きになれない。
本書に関しては細部にわたって苦情を述べたいけど、大きくまとめて三点。

問題1、物質であるにすぎない脳から、我々の持つ生き生きとした質感(クオリア)が、
いかにして生じてくるのかという主題については何一つ解決していないということ。
難問を難問と認定して終わっている。小冊子で扱うにはあまりにも大きい問題であるとはいえ、
著者の文体が「今にも解明できますよ」と言わんばかりなので、
最後まで付き合って肩透かしを食らった読者は多いだろう。

問題2、学説の紹介の仕方があまりに下手であること。たとえば「supervenience」(重生起)というデヴィドソンの概念について、
【二つの属性(脳の状態とクオリア)が「ぴったり寄り添った」ものとして、関連性を持っている感じがある】
という説明を与えているが、「感じがある」というあいまいな言い方ではそれが
学説固有の主張なのか茂木の単なる妄想でしかないのかわからない。
そもそも当該箇所を読んでも、「supervenience」とその対概念である「対応関係」説との
致命的な差異がはっきりしない。万事がこの調子で進むのである。

問題3、『クオリア入門』という、あからさまにミスリーディングを誘うタイトル。
タイトルだけ見てこれは入門書であると思った人が多いだろう(私もです)。
実際には茂木自身がクオリア問題に入門したことの宣言に過ぎない。
他のレビュアーが指摘しているとおり、明確な定義すらないまま論述が始まる本書は、
入門書としては不適切です。

そもそもクオリアは哲学の分野で論じ始められた問題なので、
初心者はまずそちらで文献を探したほうがいいだろう。その上で科学的アプローチもあるのかな、
と思ったらこちらにも手を伸ばしてみるといいかもしれない。
・・・クオリアってニセ科学なの!? ★★☆☆☆
いや、たぶん、ニセ科学ではないんでしょうけど。
ただ全般にわたって胡散臭い記述が多すぎるんですね。
ちょっとこれはいろんな意味で誤解を招く本なのではないでしょうか。

特徴としては

(1)専門用語を多用して難しいことを言っているようだが、実際には当たり前のことを回りくどく説明しているだけ。

(2)当たり前ではない部分(つまり茂木さんのオリジナルな部分;特に「クオリア」というものについて)は説明がほとんど無いので、雰囲気は分かるが「理解」することができない。

(3)個々の文章を取り出すと科学的に正しいことを述べているが、それらをつなぐ論理が不十分であるために全体としての正しさが保証されていない。

となっており、見事にニセ科学的な構造を成しているんですね。

私は脳科学の専門家ではないので、クオリアという概念の正当性も正統性もよく分かりませんが、本書の印象はかなり悪いです。
もちろん「心」を科学的に扱うというのは非常に難しいことでしょうし、真っ当な科学とニセ科学の境界ギリギリに位置せざるを得ない学問領域である、という点はしょうがないと思いますが。

ただ、それでもやはりこの本における記述内容はいかがなものかと思いました。
脳のちょっと進んだ現象論 ★★★★★
クオリアが何かわからなくて読んでみた。
クオリア研究者は、基本的には、今までの科学者と同じように「唯物論」に
軸足を置いて研究している。だから、脳の働きが、ちゃんと科学の法則に従って起こっている
ことも認識している。
しかし、分子生物学者や、医学生理学者、物理学者と研究のアプローチが違うのである。
上記科学者たちは、脳の素過程をミクロに知ろうと研究している。
しかし、クオリア研究者は、そういうアプローチに否定的である。むしろ、心の現象論的
アプローチを取ろうとしている。外界からの脳への刺激に対して、脳が反応し、質感を
える。それがどういうミクロな素過程の集合化はおいておいて、とにかく「クオリア」
と名づけて研究してみようということらしい。
基礎心理学に近いかもしれないが、ちゃんと、脳の活動を、唯物論的に捉えた上での
現象論であるから、クオリアも科学であるのだろう。