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星条旗の聞こえない部屋 (講談社文芸文庫)

価格: ¥1,155
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:リービ英雄/〔著〕 出版社名:講談社 シリーズ名:講談社文芸文庫 発行年月:2004年09月 関連キーワード:セイジヨウキ ノ キコエナイ ヘヤ コウダンシヤ ブンゲイ ブンコ せいじようき の きこえない へや こうだんしや ぶんげい ぶんこ、 コウダンシヤ コウダンシヤ 2253 こうだんしや こうだんしや 2253、 コウダンシヤ コウダンシヤ 2253 こうだんしや こうだんしや 2253 横浜の領事館で暮らす十七歳のベン・アイザック。父を捨て、アメリカを捨て、新宿に向かう。一九六〇年代末の街の喧騒を背景に、言葉、文化、制度の差を超え、人間が直接に向き合える場所を求めてさすらう柔らかな精神を描く野間文芸新人賞受賞の連作三篇。「日本人の血を一滴も持たない」アメリカ生まれの著者が、母語を離れ、日本語で書いた鮮烈なデビュー作。
感受性の強い米国人少年を主人公とした、1967年との時代を感じさせる小説。 ★★★★☆
・ 日本語の読み書きが出来る米国人の半自伝的小説で、私はこの作者の経歴に興味を持ったので読んでみた。主人公のベンは17歳の高校生で、1967年の話である。もちろん現在ほど外国人は日本に多くはなく、敗戦から約20年、ベトナム戦争、安保の時代であって、日本人の外国(本作では米国)文化に対する理解度・許容度が低い時代である。
・ 学生運動、三島由紀夫などの時代を象徴する語彙が散りばめられている。少なくともこの連作短編集では、作者の鋭い感性が表現されている。
・ どこまでが実体験を基にしていて、どこからが創作なのかは知らないが、もっとも印象に残ったのは、父、祖母、ユダヤ教とベンの関係(P.26)。これは今でも通用する事象なのだろうか?

・ なお、作者がなぜ日本語で小説を書いたかだが、彼自身は、日本語が美しいから書きたくなった、と述べている。それもあるだろうが、私は、他人に表現を任せたくないからだ、と感じた。
情緒の漂いが感じられました ★★★☆☆
~古典的な私小説のような内容であり、行間から情緒の漂う小説です。

内容を一言で言うと、居場所のない少年の自分探し、です。アメリカの母のもとを出て、主人公が幼い頃に離婚し、若く美しい中国人と結婚して日本で暮らす父の元へ身を寄せます。特権階級の西洋人として日本で暮らしながら、西洋人も日本人も半ば見下している強い父に反発し、両親が軽視す~~る日本語に主人公は惹かれていきます。~

日本人とは何か ★★★★★
 「日本語を母語としない著者による、はじめての日本語の小説」ということだが、そういうジャーナリスティックな評価とは別に、小説としても、また読後感としても、一級のものになっているとわたくしには思える。
 表題作の主人公は、作者の分身であるように思われる。アメリカ外交官の息子として日本で暮らしている主人公は、日本人より中国人に親近感を覚える父親、逆に主人公を「アメリカ人」としか見ようとしない日本人の両方に反発し、彼を「人間」として見てくれるひとりの同級生と行動を共にするようになり、最後は父親が出入りを禁止していた新宿の町並みの中に消えてゆく。
 父親が息子である主人公に言う科白が印象的だ。「オマエがいくら日本人になろうとしても、日本人は決してオマエを日本人と見なすことはない。」天皇陛下に忠誠を誓っても、日本語を流暢に話そうとも、それは白人たる彼が日本人となれる条件ではない、とすると、果たして「日本人である」とはどういうことなのか。これが、この小説の、われわれに突きつける最も重い問いである、とわたくしは感じた。
 収録されている他の小説は、この表題作の続編である。なので、実際にはひとつの作品である、と考えてもまちがいではない。