徳島の和食家
★★★★☆
著者は徳島の老舗料亭「青柳」のご主人。和食界の革新者として世界的に知られる人物らしい。
本書には、食にまつわる色々なエッセイが収められている。
フランスで開いた日本料理講習会、フランス料理の達人たちとの交流、ウィスキーについて、修業時代、刺身の切り方、おせち、味覚と唾液の関係。
ちょっと自慢めいた点が引っかかるが、どれも筋の通った話で、なるほどどうなづかされた。また、料理の「プロ」としての技、心構え、立ち位置などが示されているのが新鮮だった。良く考えながら料理をつくっているのだということが伝わってくる。
尊敬できる人物だと思う。
文章にやや難あり。
本当のプロフェッショナルとは
★★★★★
昔から、料理人の書く本は結構読んできました。
その中でも、これはある意味哲学書に近いです。
確かに、料理というのは同じメニューでも天と地ほど出来上がりに差がついてしまうときというのはありますね。
何が違うのか、そんなことを考えるヒントとしてもいい本です。
彼の「料理の神様」であるとか、「お客様にたいする気持ち」というのは、ある意味、すべてのプロフェッショナルが感じていることではないだろうか。
すべての、料理人、(和食だけでなく)そして、サービス業に携わっている方に一読をおすすめします。
21世紀の日本料理の心、ここにあり!
★★★★☆
この本の文章は、著者が連載していたエッセイと、ホームページがもとになっています。全部で4部に分かれていて1部では世界の料理人のサービスについて、2部では和食について、3部では著者の料理人・小山氏について、4部では和食を作るということについて、まとめられています。料理を作る側の視点・心構えなどがよくわかり、これからのレストランでの食事が今まで以上に楽しめそうな気がします。そして美味しそうな料理がたくさん出てくるので、思わず「右手に包丁、左手に醤油」を持って、台所に立ちたくなるはずです。
美味しさは優しさ
★★★★★
料理人の書くエッセイにありがちな料理の作り方だけをただ書くのではなく、美食経験自慢でもなく…美味しいものが好きで、楽しいことが好きで、という著者の人柄が嫌味でなく伝わってくる文章は好感が持てます。「ああ、面白かった」という読後感なので、いろんな人に読んで貰いたいです。