図鑑のような写真集
★★★★☆
自他共に認めるバリ・フリークの一人として、この写真集を見たときには正直言って驚いた。自分自身、何度もバリへ足を運び、その度に数十枚、あるいは100枚以上の写真を撮ってきたし、バリを写したプロの写真もたくさん見てきたつもりだ。自分が撮れば「バリへの憧れ・愛着」といったフィルターがかかり、プロが撮れば「芸術」のフィルターがかかる。もちろん荻野矢氏はプロなのだが、一味違う、のである。なんというか、余分なフィルターなしに、ダイレクトに、図鑑の写真のように、本当にクリアにバリの姿が写っているのだ。これが第一印象。また伝統衣装の美しさからは、バリ人の色彩感覚や美意識が見て取れるだろう。