ここまで事例を豊富にそろえたFTAの解説書は他に例がないと思う。その部分では全く不満はないし、テキストも充実しておりFTAの教科書としては群を抜いた存在であろう。
しかしFTAの基本哲学の記述がすっぽり抜け落ちてしまっている。その部分はすでに読者は理解したことを前提に、現場応用を目的とした書籍ということかも知れない。
が、現場応用事例を多数そろえることに加えて、それらに共通する基本哲学を示せば完全な解説書となったに違いない。初学者はよく応用事例を欲しがるが、実際はそこに共通する法則を見出したいのである。その部分を示して欲しかった。著者の姉妹編FMEAについても同じことが言える。