本来なら適度に押さえられて育てられる少年の素質を目一杯解放させて、優秀で無知な戦闘要員を育て上げていったのがナチスドイツのヒトラーユーゲントという組織だ。世界一優秀で美しく洗練された民族の一員であると信じていた少年が、敗戦後ごみあさりをするにいたるまでが描かれている。あまりにも可哀想である。国家が子供を育てることがどういうことか考えさせられた。