「土禁」は「土足禁止」の意味。土方のにーちゃんたちの用語だそうです。愛車を「土禁」状態するに土方にーちゃんが多いとか。
堂々たるタイトルと少ないページ数、それから「R.H.Coaseって有名じゃん」程度の認識で気まぐれに手に取ってみたのですが、それはそれは大きな間違いでした。「法学院生の必読書」という他のレビュアーさんたちのコメントを吟味してオーダーを出すべきだった。
難解でもぎりぎり素人も読めなくはない専門書というのはありますが、本書は向こう側に行っちゃってますね。無理やり感想を搾り出すと、「externalilties」というカッコつけた言葉が(関係ないが、何かというと「value」という言葉を持ち出す最近のビジネススピークにはイライラする)ポール・サミュエルソンの造語だったと知って面白かった、とかその程度になるのですが、「social cost」を巡るエッセイはなかなか驚きでした。その徹底したドライさと算盤勘定精神が。「倫理的判断」などわずかでも入り込む隙間のない、徹底した功利主義と効率主義。悪魔の論理か。以上、ド素人の愚考ですが。私には批評能力はないので、五つ星を進呈致しまする。

91年にノーベル経済学賞を受賞したR.H. Coase氏による論文集で「企業の本質」(1937)と「社会的費用の問題」(1960)を含む。企業は生産活動を内部で組織化することにより、市場取引に掛かる取引費用(transaction cost)を削減し価値連鎖を効率化する。ここに企業の本質を見出し、取引費用や組織化費用に影響を及ぼす様々な「発明」の企業形態への影響を予言する。また、企業の巨大化に伴う組織化費用の加速度的増加、事業の多様化と経営効率の反比例の関係から最適な企業規模の大きさに限界を示唆する。社会的費用については、負の外部性の加害者に対する政府介入を無条件に求める社会風潮に警笛を鳴らす。経済政策に求められているのは経済全体にとっての効率的な資源配分であり、市場取引を導入することにより加害者、被害者間に損害を最小化する選択を導き出す可能が生まれる。また、救済策に掛かる費用が元々の負の外部性を上回る場合には、現状維持が望まれることも有り得る、と説く。取引費用が無い理想の世界では司法判断に関わらず社会には結果的に最適な資源配分が実現されるが、取引費用が大きい現実社会では権利の移転による救済が進まない可能性があり、従って法的権利の初期画定が重要な経済的判断となるため、司法界に司法判断の経済的影響への理解を求める。本書は法科大学院で「経済と法」の副読本として使われるようだが、弁護士だけに読まれているのではもったいない、普遍的でかつ経済全体に密接に関わる内容を扱っている。当時から技術革新の企業形態への影響をここまで明確に示唆しているのには驚かされる。負の外部性と資源の最適化の妥協案として提示される二重課税は、喧嘩両成敗のようで先人の知恵を感じさせ興味深い。当時の激論を反映してか、論客への批判の過剰感は否めないが、著者の洞察力の鋭さはAdam Smithのようでもある。

法と経済学といわれる分野に関する、最初でかつ入門書です。
米国のロースクールで学んでいる学生が経済学を初めて学習するにも、逆に経済学を学んでいる学生が専門的でないにしろ、法律に関する経済学的な意味を学習するのに優れていると思います。

This book is the role of pioneer for lecture of Law and Economics.
And I also recommend as the elementary case for the law school student who wants to learn economics, and who had already learn it with optimizing by legal jurisdiction.