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Man in the Dark

価格: ¥1,162
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: Picador USA
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ポール・オースターの『Man In The Dark』は、各地で紛争が絶えない世界の多くの現実をテーマにした優れた衝撃的な小説

72歳のオーガスト・ブリルはヴァーモント州にある娘の家で、自動車事故で負ったけがから回復しつつある。書評家であった彼は夜に眠れないとき、忘れたい記憶を頭から追い出すために、さまざまな物語を考えている、その記憶とは最近の妻の死、そして孫娘の恋人タイタスが無残に殺害された事件だ。
ブリルはイラクで戦争をしているアメリカではなく、内戦のさなかにあるアメリカというパラレルワールドを想像する。その別のアメリカでは世界貿易センターは倒壊しておらず、2000年の大統領選挙の結果によって国家の分裂が起こり、州が次々に連邦から脱退して血なまぐさい内戦が勃発しているのだ。夜も更けていくうちにブリルの物語は次第に強烈なものになり、必死に避けている思いは、かえって語られたがっているかのように消えてくれない。ブリルは明け方にやってきた孫娘に徐々に心を開き、自分の結婚生活についての話をする。孫娘が寝入った後、彼はついに勇気を奮ってタイタスの死にまつわる心に受けた深い傷と向き合う。
熱い感情が込められたショッキングな『Man In The Dark』は、まさに私たちの時代の作品といえる。私たちに夜の闇を突きつけるともに、おぞましい暴力が起こりうる世界にもごく平凡な喜びがあることを称える本だ。
今まで読んだ彼の作品の中で一番良かったような気がします。 ★★★★★
事故で足を痛めベッドから起き上がることすらままならない老人と、彼が空想する内戦状態の現代アメリカに迷い込んだ男性のお話が同時並行的に進行して行きます。最近のムラカミ・ハルキの作品風の展開なのですが、ポール・オースターが時々(いや、よく?)書く「観念世界」的な小説っぽくもあり、ちょっとヤだな、とヘボ読者の私は思ってしまいました。しかし、読み進めて行くうちに、その余り良い印象を与えなかった前半部の二重構造の意味合いが全て、それも自然に解き明かされてしまいます。どうしてジイちゃんは夜な夜なベッドでシコシコと「アメリカの内戦」を妄想してたのか・・・。ジイさんとその娘とそのまた娘の三人のお話だとも言えるのですが、私は最後読みながら目に涙さえ浮かべてしまいました。死んじまったバアさん含め、作品の主な登場人物の全てを愛することが出来た(別に皆偉くも立派でも、それほど魅力的であるわけでもないのですが)素晴らしい一編だと私は、心から思いました。