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The Geography of Thought: How Asians and Westerners Think Differently...and Why

価格: ¥1,555
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: Free Press
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   文化によって世界観は変わっても、ものを考えるために必要な道具は同じだと、誰もが思っている。肌の色や国籍、宗教が違っても、人間が物事を知覚したり、記憶したり、推論するために使う道具はみな同じ。論理的に正しい事柄は、英語でもドイツ語でもヒンズー語でも正しいに決まっている。同じ絵画を見ている中国人とアメリカ人がいれば、彼らの脳裏に映る画像は当然同じもの、だれもが知っていることだ。

   だが、それはすべて間違いだとしたら?

   心理学者のリチャード・E・ニスベットがアメリカ人の生徒に、アニメーションの水中のシーンを見せたところ、生徒たちは小さな魚の中に混ざって泳いでいる大きな魚に一斉に注目した。ところが同じアニメ―ションを日本人の生徒に見せたところ、生徒たちは背景に注目したという。この異なった「ものの見方」こそ、西洋人と東アジア人の根底にある認識力の違いだ。著者のニスベット教授によれば「世界に対する考え方――見方さえも――が今日地域によって異なるのは、生態、社会構造、世界観、そして古代ギリシャや中国から現代にいたるまで残存する教育制度の違いに原因がある」という。その結果、東アジア人の考え方は「全体論的」――知覚可能な範囲を総括的にとらえ、その範囲内の物事や出来事を関連付けていく――になった。東アジア人の物の考え方は、西洋人の推論ほど範疇(はんちゅう)だとか形式論理学に依存しない。これは本質的にいえば、相対する考え方の「中道」を求める弁証法だといえる。それに対して、特に目立つものや人に注目して、その特質をつかんで範疇分けをし、さらに形式的な論理のルールをあてはめてその行動を理解しようとするのが、西洋人のものの考え方だ。

   『The Geography of Thought』の内容は、ニスベット教授の、文化心理学においては草分け的といえる国際調査を裏付けるものだ。一連の比較研究は厳密で説得力があり、またその結果は読者をアッと言わせる。本書は次のような質問にも答えてくれている。たとえば、

  • 古代中国人は代数や数学には秀でているのに、古代ギリシャ人ユークリッドのすばらしい業績である、幾何学に弱いのはなぜだろう?
  • なぜ東アジア人は周囲の事物から一定の対象物を切り離すことができないのだろう?
  • 西洋人の幼児は動詞よりも名詞を早く覚えるのに、東アジアの幼児が名詞よりも動詞を早く覚えるのはなぜだろう?
  • 西洋人と東アジア人の認識方法の違いは、今後の国際政治に何らかの影響を与えていくのだろうか? それぞれの認識方法は、フランシス・フクヤマの『歴史の終わり』か、それともサミュエル・ハンチントンの『文明の衝突』のどちらを支持するものなのだろうか?

   風水から形而上学、比較言語学から経済史にいたるまで、アリストテレスの子どもたち(西洋人)の考え方と孔子の子孫(東アジア人)の考え方との間には、大きな隔たりがある。異文化の理解と協力がこれまで以上に重要視されている現代において、本書はその隔たりへの道を示す地図と、それぞれの文化を結ぶ掛け橋の青写真の両方を、提示してくれている。(Book Description)

結論はもはや常識。 ★★☆☆☆
かなり豊富な実験データに基づいて、東洋人と西洋人の思考様式の違いを文化的側面から考察しているという点は興味深いが、いわゆる『物』に焦点をあてる西洋人に対し、『状況』に焦点を当てる東洋人というような相違は、日英語対照の観点から、すでに何十年も前にJohn Hindsなどの言語学者が指摘しており、日本でも池上嘉彦氏の『<する>と<なる>の言語学』(1981)によって包括的に扱われたテーマである。そういう意味では、本書の結論についてだけ述べるなら『今更』という感じは否めない。であるので、学術書というよりエッセイ的な読み物として読んだほうがいいだろう。英語は非常に易しく、量も適度なので、コーヒーブレイクにちょっと楽しむには適しているかもしれない。
文化心理学の入門書に最適 ★★★★☆
この本はRichard Nisbettの西洋とアジアの文化と認知に関する研究の成果を一冊の本にまとめたものです。ここに記されていることは勿論全員に当てはまるわけではありませんが、彼の西洋人とアジア人の違いについて色々な研究の成果が記されているので、アジア人の一人として非常に興味深く読みました。また、自分のこれまでの経験と比較したりして、思い当たることも結構多くあり、思わず納得してしまいました。今は国際化の時代で、西洋の人と接する前に読んでおくといいと思います。異文化に興味ある人にお勧めです。
考え方の違いを理解する事の意味 ★★★☆☆
私は人生の半分を海外で残りの半分を日本で過ごしてきたので、時に自分が中途半端な気がしていました。この本を通して、自分がどうして今の自分でいるのかよく理解が出来ました。ただ、もともと社会学科を卒業しているのでこの手の本には慣れていますが、本というより論文調で少し飽きてしまった。どうやったら分かり合えるのかという答えは出なかったけど、同じように物事を見ることが出来ないという点で、すれ違いが出来てしまうは仕方のないことなんだというのは分かった。頭でっかちになりがちな西洋人、自分達が一番で違う人はおかしいとまで言ってのけるアメリカ人に読んで貰えたらいいのにと思った。