【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:磯部潮/著 出版社名:光文社 シリーズ名:光文社新書 201 発行年月:2005年04月 関連キーワード:ハツタツ シヨウガイ カモ シレナイ ミタメ ワ フツウ ノ チヨツト カワツタ コ コウブンシヤ シンシヨ 201 はつたつ しようがい かも しれない みため わ ふつう の ちよつと かわつた こ こうぶんしや しんしよ 201、 コウブンシヤ コウブンシヤ 2271 こうぶんしや こうぶんしや 2271、 コウブンシヤ コウブンシヤ 2271 こうぶんしや こうぶんしや 2271 わがまま、自分勝手、友達付き合いができないといわれるのは、なぜ?高機能自閉症、アスペルガー症候群を知る、そして気づく。 第1章 軽度発達障害とはなにか第2章 自閉症、高機能自閉症の基礎知識第3章 アスペルガー症候群の基礎知識第4章 高機能自閉症、アスペルガー症候群の症状第5章 LD、ADHDと軽度発達障害第6章 軽度発達障害の実
有望なアスペルガーに希望を与える本
★★★★★
この本のターゲットは、恐らくIQ120以上の発達障害者本人に向けて書かれたものだと思います。その前提が理解できる人間には非常に有用な内容の本だと思います。
IQ120以上ある人なんて、ほんの、ほんの一握りです。だからこそ、内容は希望にあふれたことが書いてあるのです。それと同時に予後の難しさも真っ直ぐに啓示してあるところも非常にリアルです。
冒頭にIQ120以上と書いたのは「発達障害かもしれない」なんて本を自ら手に取り読破できる発達障害者はそれくらいの知能指数があってこそできる芸当だからです。
ちなみに日本人の平均IQ90前後と言われています。知的障害と健常の境界域はIQ85〜70、知的障害はIQ75以下。言いたいのは一部を除く、だいたいの日本人は限りなく知的障害者に近い知能しか持たないと言うことです。
つまり定型と言われている人達にこの本の主旨を完全に理解できる人はおそらく非常に少ないと思います。
ちなみにこのレビュー中にアスペルガーの方が書いたものがありましたが、この人はIQ120以上あるように見えます。「有望なアスペルガーに希望を与える本」として、確実に著者の意図を汲み取った素晴らしい実例ではないでしょうか。
自閉スペクトラム障害の優れた概説書
★★★★★
内容の構成は、以下の通りです。
プロローグ
第一章 軽度発達障害とはなにか
第二章 自閉症、高機能自閉症の基礎知識
第三章 アスペルガー症候群の基礎知識
第四章 高機能自閉症、アスペルガー症候群の症状
第五章 LD、ADHDと軽度発達障害
第六章 軽度発達障害の実際のケース
第七章 軽度発達障害を治す
エピローグ
本書のスタイルは、
1)それぞれの障害について具体的な症例を紹介し、彼らのうち多くの人が持ち合わせている障害や典型的に示す症状について詳しく説明する。
2)そのような症状を示す理由について、障害を持つ人自身による説明や著者自身の理解の仕方を述べて健常者や精神医学の専門家でない読者にも想像しやすいように説明する。
3)その障害を持つ人の割合を資料にもとづいて示し、DSM-WまたはICD-10による診断基準を提示する。
4)専門家間での共通認識や一般的な見方を紹介し、最後に私見あるいは一臨床家としての主観的意見であることをことわったうえで著者自身の意見を述べる。
という、非常に一般的かつしっかりとしたものになっています。
また第七章には、それらの障害を持つ人々とうまく付き合っていくために家族として、恋人や友人として、あるいは職場の同僚としてどのように接するべきかということが書かれており、発達障害やADHDなどの障害を持つ人が近くにおられる方にも参考となる部分かと思われます。
この本にかぎらず、障害一般について書かれた本を読み誰かと議論する際、あるいはそのような人々と接する際には、“障害”とは医学的には
「症状が原因で社会生活に少なからぬ支障が生じている状態、あるいは本人がその症状により小さくない心身の困難を感じている状態のうち少なくとも一方を満たす状態」
をさす言葉であり、
「本来人間が備えているべき特徴が欠けている、好ましからざるもの」
あるいは
「生得のものであるから彼ら自身が社会への適応をはかる努力をする必要はなく、健常者側だけが彼らを理解できるように努力すべきもの」
といった意味はまったくないことに注意する必要があります。
第七章のタイトルでも「治す」と表現されていますが、これは第七章の内容から見ても「社会生活への不適応を軽減する」という意味以外に解釈するのは不適当です。
またプロローグで著者が強調しているように、精神的な障害をもつ人は一般に犯罪行為に走りやすいとする主張は統計的に明確に否定されており、またそもそも“健常”や“障害”という概念はきわめて曖昧かつ相対的なものであることを意識しておくことも必要でしょう。
以上のことを踏まえて本書を読めば、他のレビュアーの方が詳しく書かれている通り、自閉スペクトラム障害全般にわたる一通りの知識を効率よく得ることができることと思います。
本書は「自閉スペクトラム障害は現代の日本社会ではほとんど認知されておらず、専門家にすら正しく理解されていない一連の障害である」という前提のもとに書かれているために、認知の低い精神障害につきものの偏見を払拭しようと意図して書かれた部分が多くあります。
そのために発達障害の人をむやみに美化していると解釈される恐れのある部分もたしかに見受けられますが、この前提を意識して読めば誤解を避けることができると思います。
アインシュタインなどの歴史的偉人が発達障害だったと考えられているという記述は、精神医学の一分野である病跡学の知見を根拠とするものでしょう。
良くある本
★★☆☆☆
2005年、発達障害に関して関心が集まった時期の発行であり、HFAやASに重点を置いて記載しているが、特にこの本でなければ、必要な知識が得られないというものでもない。時流に乗った本との印象しかない。
誤解を生むかもしれない
★★★★☆
発達障害は脳の器質障害であり著者は摩可不思議な障害であると言っていますが、大変研究された書籍だと思います。自閉性スペクトラム 注意欠陥多動性障害(ADHD)学習障害といわれる発達障害と知的障害との結びつきetc.を図解にして書かれておりそれぞれの障害の特徴も詳しく研究された結果だと思います。しかし恋愛関係や就職と結婚などの項目では読めば大変ショックを受ける内容なので、発達障害に関してありとあらゆる知識が記されていますが、この部分だけは、当事者本人には気の毒な内容になっていると思います。著者はどういう趣旨でこの本を書かれたのか少し理解に苦しむところもありますので☆4つとさせてもらいます。
入門書というよりは、2冊目に
★★☆☆☆
タイトルが「発達障害かもしれない」ということで、発達障害の入門書として選ばれることもあるかと思いますが、そういった場合は注意が必要かと思います。
専門外の先生による著書ですし、『本当にそうなのかな』と思ってしまうような断定や私見が一般的な解説の合間合間に入っています。入門書として選ばれるのであれば、定評のある「発達障害の子どもたち (講談社現代新書)」杉山登志郎や、「ふしぎだね!?自閉症のおともだち」シリーズなどがおすすめかと思います。既に入門書を何冊か読まれている方がセカンドオピニオンとして読まれる分には良いのではないかと思います。