現在スカパー！のサイファイＣＨで放送中の同名ＴＶドラマの原作です。
　ヘンリー八世の庶子で美貌のヴァンパイア、ヘンリー・フィッツロイと視力障害から警察を退職し、私立探偵となったヴィクトリア・ネルソン（う〜む、なかなか含蓄のあるネーミングだ・・・）がトロントを舞台に怪事件に挑みます。
　ヒロインは失明寸前というハンデを抱えながらもタフでクールでかっこいいし、ヘンリーは掛け値なしに、いままで小説やドラマに登場したヴァンパイア諸氏の中では群を抜く存在感の持ち主・・・美しいわ、強いわ、かっこいいわ、繊細だわ・・（支離滅裂ですが、とにかくいいんです・・）脇を固めるヴィクトリアの元同僚マイクもなかなかいい線いってます。
　そして、各巻で起こる怪事件もさることながら、ヴィクトリアとヘンリーの恋はどうなるのだろうと、ハラハラどきどきもさせてくれます。
　トロントという街がまたいい雰囲気なのです。どこか異国情緒があって、かつスタイリッシュで・・・アメリカの都市とは本質的に違う感じがいい・・・　
　さて、ＴＶと違うのは、ヘンリーがＴＶでは画家なのですが、原作ではヒストリカル・ロマンス作家であるというところ。（本作では、海洋ものの作品を執筆中）原作の設定の方が面白いですね。
　また、ヴィクトリアが警察の同僚達にはネルソン提督の旗艦をもじって「ビクトリー」と呼ばれているなんてところは、ネルソン提督ファンの忠誠心を大いにくすぐってくれます。　
　現在、ヴァンパイアものの「トワイライト」が一大ブームになっているようですが、大人の読者には、映像化作品を含め、絶対こちらをおすすめします。
　小説は現在6巻まで出ており、ＴＶドラマのＤＶＤも6月発売予定です。一度読んだら（観たら）絶対に虜になってしまうこと請け合いです。
　是非おためし下さい。