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極楽・大祭・皇帝 笙野頼子初期作品集 (講談社文芸文庫)

価格: ¥1,365
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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わたしは「極楽」を推します ★★★★★
なんだか分からないが世の中どうも生きにくい。周りの人々は我慢しているのか気がつかないのか飄々と生きているように見えてしまう。私はおかしいのだろうか、、、という思春期の疑問を持ち続けてしまった方はぜひどうぞ。

時代を先駆けてしまった80年代の笙野さんの初期短編集です。いわゆる「癒し小説」ではまったくないけれど、こういう小説が世の中に存在していることに本当の意味で癒されます。夢が境目なく現実とつながっているような、観念的かつ具体的な描写に酔いましょう。

いずれも甲乙つけがたくよいですが、単純な読みやすさの点で「極楽」を私は推します。
皇帝がおすすめ ★★★★☆
「極楽」は、地獄絵を描く男を主人公にした群像新人賞受賞作。
「大祭」は、子供の目から見た権力者としての両親を描いている。
「皇帝」は、自分を「皇帝」というものにすることで、現実に耐え
る引きこもりの男のの話。誰もが、両親を圧制者、権力者と感じる
時期があって、高校生くらいの年齢で、そこから逃れたいと思いな

がらも生活力のなさに悶々とするのではないだろうか。そのあたり
の気分を笙野頼子が小説にするとこうなるのかな、と思った。とく
に「皇帝」は読みごたえがあっておすすめ。