美しくて読みやすい教科書
★★★★★
海洋科学関係の教科書はたくさん出版されていますが、この本は入門者にとって大変価値ある一冊だと思います。英語が極めて平易な文章で書かれており、日本語教科書のようにマニアックで難解な表現はほとんどありません。カラーの図が多く、見ていて飽きません。この第二版は、1998年に出版されていますが、少しづつ修正されて最新は2004年に再版されたもので、情報も比較的新しいようです。これならば、あえて日本語教科書を買うよりもわかりやすいかもしれません。
全体は、七つの章で構成されています:1. はじめに;2. 海盆の形;3. 海盆の発展過程;4.海洋性リソスフェアーの構造と形成過程;5. 海洋地殻における熱水循環;6. 古海洋学と海水準変動;7.全体像
各章とも、必要にして十分な専門用語が示されており、多くの分野(気象学、海洋科学、海洋生物学、地質学、地球科学)の人々が読める一冊に仕上がっていると思います。外国の教科書らしく、各章の理解度を補助するための設問があり、独学を行ううえでも助かります。海を入れている器の性質を概観する入門書としてお勧めの一冊です。