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墜落現場 遺された人たち (講談社プラスアルファ文庫)

価格: ¥720
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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上野村の村民に敬服します。 ★★★★★
自衛隊、警察、お医者さん、看護婦さん、葬儀屋さん達にも敬意を表しますが、上野村の方々にはなんともいえない日本人がドンドン失っていっている「いいとこ」を未だに持っておられるようで感服して読んでおりました。身元が不明な人の弔いはその方がなくなった場所の市町村が弔うという法律があることもこの事故で知りました。ものすごく昔に作られた法律です。その法律があるからいやいや上野村が動いたわけではありません。自らの意思で救助活動から供養の活動までされたのだと思います。多分、他の村であったらここまでちゃんと出来ていないような気もします。悲しい出来事ですが上野村近辺に墜落したことだけが不幸中の幸いだったのかなあと思ってしまいました。
深く考えさせられる一冊 ★★★★★
・娘を失った夫婦の葛藤−

・生後三ヶ月の赤子の手に握られていたもの−

・生存者同士の複雑な胸中−


この本の中で特に心を打たれ、涙したエピソードです。

犠牲者、遺族、関係者など多くの方が恐怖や悲しみ、怒りや戸惑いを感じなくてはならなかった(今も感じておられるであろう)こと、

しかも何の前触れもなく、非常に理不尽な仕方で厳しい現実と向き合っていかなければならなくなったこと、

その方々の心中を少し想像するだけで胸が痛み、いたたまれない気持ちになります。

何事もない平々凡々な毎日−これがどれほど幸せで感謝すべきことか、改めて考えさせられました。

つい愚痴をこぼしたり、自己憐憫に陥りそうになる時、この本や前作「墜落遺体」で取り上げられた方々のことを思い出して前向きに生きていこうと思います。

こうした不慮の事故に巻き込まれた方々には、でき得る限りの援助やケアをしてほしいし、してあげたいと切に願います。
良質かつ丹念な後日譚記録集 ★★★★☆
「墜落遺体」で、圧倒的な事実と描写にぐいぐいと引き込まれてしまいましたが、
そこに流れるテーマとして「修羅場を廻しきったのは、ひとりの英雄などではなく、
数多くの普通の人々で構成される組織体であった」ということがあったと思います。

続編となるこの本では、その組織体を構成していた人たちを丹念にインタビューし、
自分もその組織体の一員であったことを交えながら、筆を進めています。

この手の本は扇情的になったり、個人の英雄譚や批判で埋め尽くされる例が多いですが、
あくまでも、トーンは冷静でありながら、そのとき現場にいた人から生の言葉を
拾っています。

例えば、
日航社員で遺族の「お世話係」になった人。
霊柩車や棺の手配を行っていた人。
何気ない一言がマスコミのネタにされ、風評被害に傷ついた人。

また、こういう修羅場に群がる輩についても。本当に腹立たしいことですが、事実です。

その中でもっとも感銘を受けたのは、日赤看護師についてのくだり。
普通の病院勤務看護師と同じに考えていたのですが、日赤看護学校出身で日赤病院勤務の
看護師さんは、こういった非常時のための講習を受けているのですね・・・
日本赤十字社には一目おいていましたが、さらに感銘を受けました。

123便の悲劇については、謀略説まで含めて沢山の本が出ておりますが、「墜落遺体」と
この本は必読書と思います。
多くの犠牲と無償の愛 ★★★★☆
まず取材数の多さに感服しました。
それだけ日航機事故には多くの方々が犠牲になり、何らかのかたちでそれに関わった方々もその何倍もおられたと痛感しました。
関わった人には忘れられない夏と現在を温かい眼差しで取材しているのが目に浮かびました。
著者自身もその時分は忙殺され、事故に関わった多くの人々の「そのとき」を知りたかったのかもしれないと思いました。
戦友みたいな気持ちで尋ねて歩く姿が犠牲者への供養になったと思いますし、ご遺族のその後に安堵したり、と報道でしか知らなかった一個人の私にも大切な思い出や教訓などが共有できるような目線で書いてあり、好感が持てました。
特に山付近に住んでらっしゃる方々のレポートが好きです。

ただ取材数が多すぎてまとまりがないような気がしました。
著者としては「この話もあの話も盛り込みたい」という気持ちが働いたのかもしれません。

事故に関わられた方々にお疲れ様と言いたくなる本です。
そして今後も慰霊に携わっていく方々には身体に気をつけて頑張ってくださいと。
本当に忘れてはならない事故だったと思います。
時間の流れを感じた ★★★★★
私も「墜落遺体」を先に読み、著者に興味が湧いたとともに
もっと事故のことが知りたくて、この本を読みました。

当時の自衛隊員の話など裏話がいろいろ書かれていますが、
やはり遺族を訪ねている章が一番心にきました。
事故当時、小学生だった遺族は立派な大人になり、若い女性の
母親は夫に先立たれ、孤独な老後を送っている。
もし、あの事故がなかったら今は孫の一人や二人もいて、
娘夫婦と賑やかに暮らせていたのかもしれない・・・そう
思うと胸が苦しくなりました。

人の人生なんて、何が起こるかわからない。改めてそう考えさせられた
本だった。大きな不幸が降りかかっていない今の自分を幸せに
思う。