ちょっと地味ですかねえ...。確かにバンド的まとまりというか、耳障りはいいのですが、ハードなキメキメの曲調好きの私としては、前作の「INNER TIMES」の方がお奨めです。パッと聴いた時の印象の残り具合が今一つというのか..??でも繰り返し聴くと馴染んでくるのかもしれませんね。

１年１０カ月ぶりの新作はいい意味で期待を裏切る作品でした。
前作inner timesよりライブ感のある内容は、前作とは別の魅力を醸し出していてGOODです。
また、アルバムタイトルのコンセプトは前作と同じ、時間を意識してはいるもののアプローチが違う事でこれほど変化に富んでいる作品になったことは驚かされます。
野呂さんが現状に満足せず、常に前向きに取り組んでいる事を感じさせてくれます。
すべて、お勧めですがカシオペア３０周年を意識したRIGHT HEREは、往年のカシオペアを思わせながらも、インスピリッツのメンバーが、演奏が楽しくてしょうがない感がでていて良いです。

野呂さんのプロジェクトISSEI NORO INSPIRITSの第2弾アルバムが発売になりました。
前作から1年10カ月、長かったですね。ずいぶん待たされました。

レーベル移籍や個々のスケジュールの関係があったのでしょう。
曲順はレコーディング順ということで、順番でイメージしやすいですね。
MOMENTSとは「瞬間」のことだと思いますが、曲がそれぞれの情景の瞬間なのでしょう。
1曲目のFULL OPENからハードボイルドで、ジャケットの絵（笑）どおりですね。
2曲目のSUNNY　CRUISE、さわやかなラテンテイストの曲です。
林さんのシンセ音がスクエアを連想させます．．．
4曲目のSUSPICIOUS CITYは野呂さんが怪しい街という感じで作ったということです。
OUTしているとのことですが、それほどOUTしているとは思わない印象です。
9曲目のRIGHT　HEREは、カシオペア30年記念でお祭り感覚で作ったという曲。
各人のソロもあり楽しめる曲です。カシオペアのユーフォニーの
SUPER　SONIC　MOVEMENTなんか連想してしまいました。

全体を通して聴いていると、さまざまな場面が頭に浮かびます。
僕としては、さわやかなラテンのSUNNY　CRUISE、バラードのEMBRACE THE MOON、
広大な海や空の青さのBLUE&BLUE、雄大でメロディアスなLOOK　AT　THERAINBOWがお好みです。
INSPIRITSの1作目より、さらにバンドサウンドが確立された気がします。
こう言ってしまうとカシオペアの復活も遠いですが．．．
（今回は扇谷さんと林さんコンビネーションがとても良くなってきています。もちろん他のメンバーもとても良いですが．．．）
野呂さんのギターの音は、フレッティドのディストーションの音とフレットレスのノンディストーションの音に大別されます。
これが、結構いい分けになっているかも．．．

とてもまとまったバンドサウンドを感じさせてくれており、本当に素晴らしい作品です。
これからも、野呂さんはこのようないい作品をお願いします。

聞き込むごとに耳になじんで来ること間違いなし！

スタジオレコーディングですがライブ感たっぷりで全員のノリが伝わってきます。
ギターの歪み具合は好みが分かれるかも知れませんが、朗々と歌っており響きも良いです。
前向き、外向きで生き生きしています。
各楽器のソロも聴きごたえがあり、曲中のSEやちょっとした「遊び」のフレーズも小気味よく、
非常に完成度の高いアルバムだと思いました。ふだんあまりこういうジャンルには手が伸びないのですが、
これは聴くほどに元気が出るのでおすすめです。

今回の作品も演奏、作曲、編曲は太鼓判です。
前作からの正常進化版、聞けば聞くほど味が出てくる感じです。
車、電車、飛行機の移動時などに聞いても楽しめます。