朝日新聞日曜版「名画日本史」で紹介してきたものを1冊の豪華なムックに編集したものです。今回は、1巻目として、下記に列挙した日本の名画26作品選び出してきて、それに対して各方面からアプローチして分かりやすく解説をつけています。紙質はいいですし、オールカラーですから、保存版としての役割も果たしそうです。

1つの作品について8ぺージをあてて説明し紹介しています。最初の2ページは作品そのものを掲載し、残りの6ページで朝日新聞社の記者の興味深い記事が書かれてあります。

掲載作品を列挙します。源氏物語絵巻、紅白梅図屏風、松浦屏風、長恨歌絵巻、伝源頼朝像、熊野那智参詣曼荼羅、琉球八景、南蛮屏風、虎図、縁側二美人図、伴大納言絵巻、西行物語絵巻、布晒舞図、松林図、病草紙、彦根屏風、鳥獣人物戯画、紫式部日記絵巻、凍雲篩雪図、見返り美人図、公余探勝図、枯木鳴鵙図、北野天神縁起、高松塚古墳壁画、平治物語絵巻、一休宗純像、以上日本を代表するような名画のオン・パレードですね。

作品として取り上げられた人物についても詳しく解説が載せられていますので、日本史の復習になりますし、なにより美しい色彩の再現がなされていますので、画集としての役割も果たしています。知っているようでその成立の背景をよく知らない名画についての解説も書かれていますので、美術愛好家にも満足がいくような編集だと思います。

　学校で学習する日本史は一体何だったのだろうか？年代や人名をひたすら記憶する作業に嫌気をさした人は私だけではないはずです。皆さんも味気のない日本史の学習にウンザリする生活を高校時代に送ったはずです。

　この本を手にした時、当時感じたことを一気に吹き飛ばしてくれました。何かと分かりにくい時代背景を今風の表現で説明してくれます。続刊が楽しみです。どうか手にとって読んでみてください。