虫と私
★★★★★
雑誌『ブルータス』、『サライ』、『ガリバー』に連載されたエッセイを一冊にまとめたもの。ごく短いものばかり47篇が収められている。
ほとんどが虫の話。ちょっとだけ哺乳類や魚についても。
タイに住む蝉の鳴き声、砂漠に住むゴミムシダマシの水の集め方、ゾウムシの産卵法、クワガタに噛まれるとどのくらい痛いか、フンコロガシの生活など、ユニークで興味深いエピソードが集められている。
目の付け所が独特で、文章にユーモアがあり、虫への愛情が伝わってくる。文句の付けようのない面白さだ。
このひとは、こうした短いエッセイの方が力が発揮できているように思う。