統計力学を勉強する際に始めて用いた本です。まだ4章までしか読み終わってないですが、とてもわかりやすいです。Canonical ensembleの導入がすばらしいです。等確率の原理の使い方がよくわかる説明になっています。一通りのことはカバーしてあって2000円弱というこの値段はすばらしい。Doverの中でも5本の指に入る名著だと思います。
熱力学の関係式がやや天下り的なこととCanonical partition functionからmolecular partition functionを導く際に確率論の同時確率分布などを用いていればもっとすっきりしたことなどが惜しいです。
Amazon.comの方の評価も参考にしてください。

この本は授業で統計力学を習った学生がより進んだ学習をするときに適切なガイドとなりうると思われます。特にアンサンブルの概念が導入部分で詳しく述べられていること、後半部分で諸問題への適用が広範囲に述べられていることが魅力です。ただし、個人的には記述のされ方が物理というよりは化学の学生に読みやすくなっているような気がしました。そのように感じる読者には、同じ著者の、Statistical Mechanics: Principles and Selected Applications、のほうが適用かもしれません。