いよいよ後編の登場です。続編ではなく、後編。やはり"Ilium" と "Olympos" で一つの作品でした。
有無を言わせぬストーリーテリング、皮肉で饒舌なユーモアも相変わらず。新たに登場するキャラクターも実にユニーク。この期に及んで拡張するストーリーにワクワクしながらも、これでちゃんとオチがつくのかと、つい余計な心配をしましたが…
残念ながら "Ilium" で提示された謎のいくつかは明確な解答がなされていません。が、兎にも角にもここまで広げた大風呂敷をガツッと畳んでみせた力技には、素直に脱帽。
元ネタではひたすら悲劇的な登場人物たちと数々のエピソードの大転回には、感動というか、開いた口が塞がらないというか。
"Ilium" の幕開きでニヤけた私は、この "Olympos" の幕切れで再びニヤニヤさせてもらいました。
ありがとう、シモンズ先生。オタク万歳。
しかしながら、やはりこの展開にこれだけの長さが必要不可欠とは、どうしても思えない。なので、文句なし★5つの "Ilium" から1つマイナス。
デカイんですよ、このペーパーバック。持ち歩くのはちょっとツライ。これから購入する人は覚悟して下さい(笑)
それでもなお、ボリュームが苦にならない面白さではありますが。これがシモンズ・マジック?