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Ilium

価格: ¥733
カテゴリ: マスマーケット
ブランド: HarperTorch
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ダン・シモンズの想像力に感嘆! ★★★★★
ホメロスのイリアスに題材をとっていますが、ゆっくりとした前半の展開とことなり、後半、えっ?!というとんでもない物語展開になり、読者を飽きさせません。(全体で725ページの小説ですが、後半の325ページを私としてはめずらしくわずか5日間で読んでしまいました)

物語は三筋あり(未来の火星でおこなわれるトロイ戦争と傲慢なギリシャの神々の話し、火星に何かが起こっていると気づき、木星から火星へ探索にやってくる文学好きの有機ロボット達の話し、そして文字を忘れた遥か未来の地球人が失われた過去を追い求める話し)、それぞれの物語が、一話15分ほどの短いドラマ仕立ての章として交互に登場します。そして、それぞれの章の最後に「この物語の続きは来週を楽しみにしてね」みたいな形で終わり、その物語が次回はどう展開するのか気にしながら、次の章では別の世界の物語を読ませられる、という形で話しが展開してゆきます。そのじりじり感がこの725ページの長い小説をささえています。

この「ILIUM」自体は、後編である最新作の「OLYMPOS」の壮大な序章のようです。例えて言えば、「ILIUM」では秀吉(トロイ/ヘクター)と家康(ギリシャ/アキレス?)の小牧長久手の戦いをえんえんと描きながら、さあやっと天下分け目の関ヶ原に話しが進んだとおもったら、それは「OLYMPOS」で読んでねという感じです。しかし、「ILIUM」ではその小牧長久手の戦いが、後半、実際のトロイ戦争ではありえない展開になり、おもいもかけない関ヶ原が出現するという感じで、あらためてダン・シモンズの想像力の深さに感嘆しています。(ただし、「HYPERION」にあった哲学性はうすく、ひたすらハリウッド的な大仕掛けの物語なのは事実なので、哲学性を期待される方には少し「?」かもしれません)
オタク作家め ★★★★★
書名だけで購入した自分もオタクか。SF苦手なのに… 人を呪わば穴二つ。
まんま Iliad のオープニングにニヤニヤしたのも束の間、ん?何か変だ…すごく変だ!と困惑しつつ、いつのまにか怒涛のストーリーに巻き込まれ、訳がわからないまま最後まで運ばれてしまった、というのが偽らざる感想。
それでも最後まで読み通せたのは、偏になんとも魅力的な登場人物たちのおかげ。特にmoravecsにはメロメロ。お友達になりたい。
元ネタがいろいろありすぎて把握しきれないのですが、舞台設定である「イリアス」他トロイア戦争神話の概要と人物関係は押えて臨みましょう。途中からとんでもない展開となって唖然としますが。
あとはシェイクスピアの「テンペスト」。
それにしても、よくもまぁIliadその他からこんな話を捻り出すよなぁ、とひたすら感心します。が、もともと続編 "Olympos" と二部作構成だそうで、この作品では多くの謎と伏線をそのままにして、ぶった切るように結末を迎えます。読者は欲求不満に悶々としながら、否応なく期待が高まるわけで。
さすが大ベストセラー作家の商売上手にも敬意を表して、★5つ。
ハイペリオンシリーズを超える大作 ★★★★★
ペーパーバックで640ページの大作。
英語はかなり難しい単語が多いので、理解できていない部分もあるかも知れませんが、そんな事を感じさせないDan Simmons節が炸裂する一篇。

遺伝子工学を極めたポストヒューマンが地上を去って数千年後の地球と量子移動を行う神々のいる”古代”トロイ戦争中のギリシャ、そして、有機ロボットMoravecによる、地球化された火星探査の3つの話が同時進行し、それらが、よりあわされていく終盤の迫力は圧巻です。

ハイペリオンシリーズでおなじみのシュライクばりの怪物カリバンなど魅力的なキャラクターも沢山登場します。
ギリシャ劇(ホメロス)になじみの無い方は、映画「トロイ」を観てから読むとかなり参考になります。
沢山の謎が解かれていないので、次回作Olymposにも期待が高まります。