最初、原書を読んで感激しました。訳本にも期待しましたが、この本の一番大切な、落ちの部分が台無しになっています。原書では"you can always make something out of nothing." つまり、「何もないところからでもいつでも何かを作れるんだよ。」となっており、たとえ物自体はすりきれてなくなったとしても、その思い出や(心に残る)本当の価値はそこなわれないという大事なメッセージが託されています。訳では「だって、”なんにもない!”になるまでにいろいろあったでしょ?」となっており、即物的な説明にしかなっていません。簡単な英語ですので、原書で読まれることをお勧めします。 落ちのところ以外でも"It was old and worn."が「でも、あちこちすりきれてつぎをあてていました。」という不正確な訳になっており、原書の雰囲気を正確には伝えていません。