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★★★★★
経済学に関して書かれたテキストの中で最高のテキストの一つと言える。von Neumann and Morgenstern(5章)に始まり、Anscombe and Aumann(7章)、 Savage(8,9章)に至る期待効用理論の公理化の流れが実に簡潔に説明されている。(単なるサーベイではなく、順を追って可能な限り厳密な証明がなされている。)また、期待効用理論に関する様々なパラドックス(14章)の説明も極めてわかりやすい。この本は、ミクロ経済学の授業や大学院レベルのテキストでも十分にカバーされていない意思決定理論を学ぶ上での第一歩になると確信している。もちろん、この本では最新の非期待効用理論は記述されていないが、それがこの本の価値を下げる要因にはならない。最新の理論を理解する上でこの本の果たす役割は大きいと言える。理論経済学を専攻する方には必読書と言える。