芸術家たちの青春
★★★★★
両大戦間のパリを舞台に、20世紀を代表する天才たちの若き日々を描いた小説。上下巻合計で1200ページの大作。様々な芸術家たちが出会い・別れながら、作品を生み出していく。やはり魅力は、意外な出会いだろう。たしか下巻だと記憶しているが、シュールレアリスムの詩人ロベール・デスノスの詩をもとに写真家マン・レイが映像化した作品に感動した映画監督のエイゼンシュテインが訪ねてくる。しかも、そこに立ち会ったのが、若き日のアレホ・カルペンティエール。とんもでない組み合わせである。ほかにも、驚くような人物が登場している。当然ながら、藤田嗣治、薩摩治郎八といった日本人も登場する。
20世紀前半のパリに興味がある方には薦めたい作品だ。