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Identity Economics: How Our Identities Shape Our Work, Wages, and Well-Being

価格: ¥2,070
カテゴリ: ハードカバー
ブランド: Princeton Univ Pr
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忠実な人間を増やすことが重要! ★★★★☆
自分が何者であるかというアイデンティティの問題は、経済にあっても重要。

Beckerを嚆矢とする差別の経済学では、差別の選好は社会的文脈で変化しないと仮定され、価格や収入の差が以下に行動の違いを生むかを焦点に当ててきた。それに対し帰属の経済学では、社会的文脈がいかに問題となるかを分析している。著者のフレームワークは以下で与えられる。
1. アイデンティティがある。
2. それらに沿って規範と理想点がある。
3. アイデンティティの規範から逸脱すると不効用を得る。
4. 人によってはそもそも特定のカテゴリの理想を満たすのが困難。e.g. 黒人が白人社会での象徴を満たすのは難しい

たとえば会社には社畜(insider)とそれ以外(outsider)とがいる。前者は「会社のために尽くすべき」という規範を持っているので高い努力をする。後者は会社と自己を同一視していないので高い努力をすると損をしたように感じる。前者に支払う賃金は少なくて済む。
また学校には良い子(jock)と不良(burnout)とがいる。良い子は学校の求める行動をすると効用が上がるけど、不良はそうでない。
職業にも男女の色分けがあるし、アメリカ社会には白黒の分断がある。
以上の事例を分析していき、アイデンティティの考慮の重要性を示す。

規範がどこから来るのかやいかにインサイダーにすればいいのかは載っていない(たぶんそれは経済学ではなく教育学や経営学、社会学の出番)ので、教育やマネジメントでの解決策を求めてこの本を読んだらまず肩透かしを食らう。事例がいくつもあって興味深かったけど、☆は四つというところ。