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Animal Spirits: How Human Psychology Drives the Economy, and Why It Matters for Global Capitalism

価格: ¥2,104
カテゴリ: ハードカバー
ブランド: Princeton Univ Pr
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啓蒙書として一定の値打ちはあるが ★★★☆☆
二人の世界的経済学者による啓蒙書である。さすがに内容は手堅いが、行動経済学を含め経済学一般について一定の知識のある読者には特に新味がない。レビュアーは、今回の金融危機を踏まえ、新たな政策提言が含まれていることを期待して通読したが、この期待は残念ながら裏切られた。ただ、優れた教師が指導することを条件に、ゼミ用のテキストとして活用とすると、月並みな経済学入門書では得られない収穫があるだろう。
shabby truth over beautiful lies ★★★☆☆
日本人や市場参加者にとっては至極当然な考え方が見事に整理されているだけです。なぜこんな作品が今注目を集めているのでしょうか。これにはもしかするとアメリカ経済学会の主流と反主流の対立構造とそこでの怨念が鍵となっているのかもしれません。market efficiency schoolとrational actor theoryを洗練の極致まで突き詰めることにより、事実の解明の道具としては、beuatifullyにfailというかbankruptしてしまった主流派アメリカの経済学へのcoffin nailingなのかもしれません。この作品はまずいくつかのキーワードの解説から始まります。そして次にこのキーワードを駆使してのいくつかの重要な政策課題の分析と解決にどれほど主流派経済学が無力なのかが徹底的に暴露されます。そこで再評価されるのが政府の役割です。政府の役割の再定義とその復活なしには資本主義は機能しないとまで言い切っているほどです。もしかするとアメリカの経済学会では権力の中心の移行が起きているのでしょうか?驚くべきは、主流にせよ反主流にせよ恥ずかしくなるほどの政策への関心と経済学の有用性への志向です。これには参ってしまいます。ところで、日本でも「脂ぎった」とよく戯画的に評価される不動産屋がanimal spiritsの象徴と評されるのには笑ってしまいました。
Keyensの行動経済学 ★★★★☆
経済活動は経済合理的な動機だけでなく血気(animal spirits)に大きく影響されるというKeynesの指摘を、UC BerkeleyのAkerlof教授とYaleのShiller教授が掘り下げ、既存の経済理論の矛盾を行動経済学を使って解説したものです。Keyensの考える経済の中での政府の役割を育児書が説く親の役割に例えるのが印象的です。前半では血気の概念を5つの切り口で捉えそれがどのように経済的意思決定に影響を与えるかを解説:信頼(confidence)、公平性(fairness)、不正(corruption)、貨幣錯覚(money illusion)、話(stories)。信用市場における信頼の重要性。取引における公平価格の重要性。不正興隆の歴史、不正が続く経済均衡の仕組み。効率賃金理論と貨幣錯覚の関係。信頼の媒体としての話の役割。後半は血気の概念を使って経済に関する8つの基本的な質問に答えます。今回の金融危機については、金融市場の進化に規制、監視制度が追い付かなかったことがそもそもの原因と分析。血気が創造的に活かされるための市場の仕組み作りは政府の役割、経済に空洞ができればそれを埋めるのも政府の役割。通常の金融政策・財政政策に加え、信用市場機能の維持を政策目標にすることを提言。非現実的な前提を基にした既存経済学の限界を超え、現実の経済をより良く理解するための重要な試みの一つですが、今回の金融危機の直接の背景としては、個人的には矢野教授の「市場の質」の方がしっくりきます。