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あら皮 〔欲望の哲学〕 (バルザック「人間喜劇」セレクション(全13巻・別巻二) 10)

価格: ¥3,360
カテゴリ: 単行本
ブランド: 藤原書店
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面白く読める ★★★★☆
人間喜劇の中では最も面白く読めた作品。
ラファエルは絶望のゆえ自殺を決心するも
その直前に「あら皮」を手に入れる。
それはどのような欲望もかなえてくれるもの、
ただ欲望をかなえるごとあら皮は縮んでいき
最後あら皮がなくなるときには所持者の命を奪う。
ラファエルはそれを持って新たな人生に踏み出す。
さまざまな欲望をいきていくのであるが、
しかしそれはまっすぐなものではなく
後から考えると無駄だったと思えるような
道草を経ていくのであるが。
そして最後、それこそ自分がかなえたかったものだと
いうものにめぐり合い、それに気がつくも、時すでにおそし。
それをかなえると同時にあら皮は消尽し
絶望の叫びをあげながら愛する人のもとでラファエルは息絶える。
人生ってこんなものかな、と感じる。
社交界とかその他政治的なことがらとか
今からではあまりピンと来ない舞台で繰り広げられる
話であるものの、決してそれでも面白みを失わず
むしろ主人公の心のひだは手に取るようによくわかる感じ。
時と場所を変えても人間はそれほど変わらないのだなと
つくづく感じる。
読んで欲しい ★★★★☆
この小説を読んだ人はおそらく、ラファエル(主人公)の世界観にどっぷりとと浸かってしまうでしょう。
絶望に苦しんでいる彼に、ある奇妙な骨董品屋が魔除けをおくります。
それが「あら皮」です。この皮は全ての欲望を叶えます。
しかし願いが叶えられる毎に、その皮は縮まっていきます。そしてそれは、その皮の所有者の命を縮めることも意味しているのです。
願望は生命を憔悴させる…。
それこそが、「あら皮」の表象の裏にバルザックが私達に示そうとした、哲学的な探求の結果であると思われます。

この小説は、私が読んだバルザックの中でも、特によかったと思います。
しかし、これは他の小説のように気軽に手をつけ、あまり咀嚼せずに読むような類の作品ではないように感じます。

文章が難解であるという事ではありません。
何よりバルザックの探求した人間観についての熟考を要しています。
だから、軽い読書を望む人にはあまり向いているとはいえません。
他の人達のために。
おそらくこの本は熱中を催し、もしかすると苦悩の深遠の縁にまで、あなたを連れて行くかもしれません。

しかし本当の文学とは、そういうものであるような気がします。