この「ビジネスパーソンの新定石」では、「人生を科学する」で科学している内容を含めて、実際、ビジネスパーソン（＝いわゆる会社員やサラリーマンの意味）が、他の群衆と一線を画すために、どのような哲学、行動を実生活に適用させるべきかという答えたのめの材料を提供することに主眼があります。

どの自己啓発関連書も同じですが、結局は著者が経験したこと、そこから得られたこと、それがたまたま、「成功している」（と本人が感じている）ということを元にして書かれているように、そういう意味ではこの本も変わりません。人は自分の経験からしか、本当の自分の言葉で語ることができません。私が彼らと違うのは、私は自分が正解だと思うことを一般化するつもりもありませんし、それが唯一の正解だというつもりもないということです。

そもそも、自分の人生の理論は自分の人生にだけ適用できるものであり、つまりは人の数だけその正解がある可能性があるということです。世の中は意識的にか無意識的にかに関わらず、自然科学一般の適用を受けています。そういった意味でも自分の人生にも意識的にか無意識的にかに関わらず、大きな、番人に共通の法則が働いているはずですし、また法則を見つけるためには、事象の観察、仮説、検証、理論化、反証のサイクルを使うことは他の科学一般と変わることはありません。

私の人生理論を組み立てる過程で明らかになった「世の中」を見ながら、一つの具体化した生き方がどのようになるかを眺めて見るのもひょっとしたら有益なことがあるのかもしれません。