下でレビューをされている方の中にもあったのですが、この本の1章で
form, meaning, useという3つの側面からの文法の説明を試みると初心
表明がまずあります。以下の章でそうした視点に基づいて説明を試みている
のですが、とくにuseによる説明、つまり、ある言語表現を典型的には
どういうときに使うのかという説明に関しては、他の文法や語法事典
(PEU,PEGなど)よりもかなり力を入れてなされているように思います。
個人的には、7,8,9章の、Tense-Aspect-Modalityの章に最も衝撃を受け
ました。具体的には、動詞の意味に本来的に備わるAspect(lexical aspect)
を類型化して、それが文法的なAspect(have pp., be -ingなど)と手を
つないだときに、どのような振る舞いをするのかということの説明がある
点や、意味の似た助動詞の使い分けがどのようになされるかついての説明が
ある点、Modalityの段階付けによる説明(must-will-should-may-could)、
過去形と現在分詞、be going toとwill、wouldとused toなどの使い分け
の説明を、談話の組み立てとの関わりでしていた点などがすばらしいと思い
ました。
文法好きの方の一家に一冊、学校の英語科で、一科に一冊あって悪くない
本だと思います。