インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

わたしたち奴隷の楽しい毎日

価格: ¥0
カテゴリ: Kindle版
ブランド: インキー株式会社
Amazon.co.jpで確認
舞台は2004年の京都。
愛と笑いと青春と、性と希望と欲望と、物質と貨幣とカリフォルニア・ガールと、通信空手と国家権力と絶望にまみれた、永遠に姿をあらわさない君主の奴隷であるわたしたちの楽しい青春群像短編集。

◆家に着き、扉を開けます。すると、家の中の真っ暗な廊下が月の灯りに照らされて、少しだけ明るくなるのです。そこにあなたがいるように思えてならないのです。あなたがこの世界に今存在している幻覚、それはこの世界に今私が存在していることの耐え難い苦しみを生み出し、私はそれに殺されそうになるのです。私はいっそのこと殺されたいと思うのです。(この世界に今私が存在していることの耐え難い苦しみ)

◆あああ、そう叫びながら、僕は君の返り血を制服に浴びて、歪んだ世界のなかに、本当の僕を見つけようとした。本当の僕なんて、どこにもいなかったんだ。だって、本当の僕はもうすでに、ここにいて、君の返り血を浴びた制服を着て、君が僕に微笑んでくれたように、君に微笑んでいたのだから。包丁が床に落ち、金属音が響く。そんなことは、どうでもいい。ただ一つの真実は、僕が君を好きだということだ。(僕は君が好きだから、僕は君を殺っちまう)

◆女を抱いてから死のうか。それとも、女のビデオでマスをかいてから死のうか。どのみち、俺は死ななければならない。発狂の末、死ななければならない。この世界ともさよならだ、この身体ともさよならだ。あとには何も残らないだろう。(消えうせる助走としての大恋愛)

◆美沙子 出向先でも 愛しい美沙子
美沙子 点滴中でも 大好き美沙子
ああ 旅先でも 美沙子LOVE(安田美沙子に捧ぐバラッド)

◆彼は赤本を地面に叩きつけ、東京大学構内に入っていく。彼は突如走り出し、衣服を脱ぎ捨て、ナイフを取り出して、そして叫んだ。学生や教員たちは微笑みながら彼を遠くから眺めている。(東京大学よ、どうかこのどうしようもない俺を殺してくれないか)

◆ほんま世の中は金やな、俺はほんまにそう思うわ、金さえあれば、何でもできるんや、ほんまにや、そして、逆に考えたらやで、金がない奴には何もでけへんってことや、金がないってのは悲劇やで、怖ろしいことや、借金なんかしてみい、終わりや、人生の目的が借金返済、返せる見込みのない膨大な額の借金返済、これは生き地獄や、なあ、人間は皆平等やと中学の頃習ったやろ、あれは真っ赤な嘘や、平等やない、確実に(俺が死にたいお前との夜)

◆俺は首相官邸に乗り込んだ。右手には国家機密エリーを握り締め。「首相に二回か三回会わせろ!!!」と叫びながら入っていこうとすると、ガードマンに止められる。「おいおい、二回か三回って、欲張りさんは門前払いしちゃうぞ!!!」と言って俺を押さえつけた。(国家機密エリー)

◆「ああ、何てあなたは繊細なの? あなたには私がいる。Hな絵日記を描けなくなったならば、私があなたの鏡になろう。あなたを映し、あなたの自己確認を手伝ってみせるわ。だから、そんな心配しないで、懸命に、真摯にHな絵日記を、あなたはただ描いていればいいのよ」(あなたはただ描けばいい)