『ジョイ・ラック・クラブ』『The Bonesetter's Daughter』のベストセラー作家エィミ・タンによる刺激的な新作
ビルマ（ミャンマー）の海に浮かぶコテージ式リゾートに滞在していた11人のアメリカ人がクリスマスの朝、南部のシャン州に「美術ツアー」に出発するが、運の悪いことに消息を絶ってしまう。運命のいたずら、呪い、あるいは単なる人間的な過ちによって、彼らは奥深いジャングルに迷い込み、そこである部族と遭遇する。部族は現在の暴虐非道なミャンマーの軍事政権から守ってくれるリーダーと神秘の奥義書が戻ってくることを待ち望んでいた。
『Saving Fish From Drowning』は読者を、仏教的な幻想、魔術師のトリック、軽快なコメディーが入り混じる世界に引きずり込む。しかも、不条理でピカレスク風でありながら、善にしろ悪にしろ人間の意志による結果や、他人の行為を自分にも責任があるとして受け入れなければならないことを伝えるモラルの物語になっていく。
……聖なる男は信徒に説明した。「命を奪うのは悪であり、命を救うのは気高いことだ。毎日、私は何百もの命を救おうと誓う。私は湖に網を投げ、何百匹もの魚を獲る。岸にあげると、魚はそこでばたばたと跳ね回る。『怖がらなくていい』と、私は魚に語りかける。『溺れないように助けているのだから』。しばらくすると、魚はおとなしくなり、静かに横たわる。悲しいことに、私は気づくのがいつも遅すぎる。魚は死んだのだ。無駄にするのは悪いことなので、私は死んだ魚を市場に運び、いい値段で売る。手にした金で、私はもっと多くの魚を救うために網を買い足す」

著者について
エィミ・タンの作品には、『ジョイ・ラック・クラブ』『キッチン・ゴッズ・ワイフ』『私は生まれる 見知らぬ大地で』『The Bonesetter's Daughter』『The Opposite of Fate: Memories of a Writing Life』、児童書の『The Moon Lady』『Sagwa,the Chinese Siamese Cat』。著書は36カ国語に翻訳されている。