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日本橋バビロン

価格: ¥1,550
カテゴリ: 単行本
ブランド: 文藝春秋
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北杜夫、トーマス・マンを超えている。 ★★★★★
小林信彦先生の御実家、日本橋の老舗和菓子屋の盛衰を描く傑作ですね。
もう北杜夫先生の「楡家の人々」を超えて、「ブッデンブローク家の人々」に迫って
いや、ご兄弟の作ですし、ノンフィクションと思わせる小説作法はマンを超えているでしょう。
抑えた乾いた文体が素晴らしく、小林泰彦先生のイラストも素晴らしく、東日本橋界隈の出身者にはたまりません。
ラストでは涙が出そうになりました。まさに「日本橋バビロン」というタイトルが心にしみます。
小林先生の「和菓子屋の息子」も超おすすめでマストです。
両国橋西詰の往時が偲ばれる ★★★☆☆
タイトルは『日本橋バビロン』であるが、現在「日本橋」と言ったときに思い浮かべる、三越、高島屋、丸善のある辺りではなく、旧東京市日本橋区、両国橋に近い現在の東日本橋が舞台である。
老舗和菓子屋の9代目の長男として生まれた著者が、大正から戦後にかけての和菓子屋を祖父と父を中心に描く自伝的小説。

第一部は往時の区画の解説が多く、二部以降の菓子屋の趨勢も地域の様子と重ね合わせて描かれているため、このエリアを全く知らない人には分かりづらい点も多く、興味も湧かないかもしれない。

小説の語り口は淡々としたもので、劇的な感動などはない。
しかし、下町育ちの私にとっては、両国橋の西詰にあたるこのエリアはかつて「両国」であり、現在の両国は「東両国」であったこと、大川(隅田川)の川開きの様子など、往時が偲ばれ興味深かった。
ペダンチック ★★☆☆☆
冗長でペダンチック。はっきり申し上げて、文章の内容と言葉の選びが釣り合ってなくてチグハグです。厳しく言うと、小学生の作文を、単語だけをちょっと難しい言葉と漢字に置き換えたような印象を受けます。

こんな人が編集者をやっていたというのだから驚きです。

昔の東日本橋・両国の日常風景や変遷・当時の文化が窺い知れるというのは非常に面白いのですが、間につまらない内輪話が出てきて退屈です。本人は自伝を書くために当時の時代背景を解説したつもりなのでしょうが、自伝として読むならば恐ろしくつまらない、恐ろしく退屈な、恐ろしく文才のない人間が書いた、読むに値しない文章です。

そこを我慢して、当時の状況と町の変遷を窺い知るという目的ならば読むに値するかもしれません。

正直言って、この程度の人が編集長をやって、小説を書いて、菊池寛賞を受賞しているのかということが最大の驚きでした。

なんだかメッタ切りにしてしまいましたが、この界隈に興味のある人間としてはかなり面白かったです(自伝以外の部分限定ですが)。
小説の醍醐味 ★★★★★
前半は主に土地の歴史が語られ、それは一見すると「小説」ではないようにも思える「記録」のようなもの。なのに、一般的な「歴史」を読まされるときとは違い、意外なほどに引き込まれます。おそらくそれは文章の力なのだと思います。距離を置いた淡々とした文章。なのに、気持ちの深い底にまで食い込んでくる鋭さ。

その文章の力は、後半部分の人間対人間のドラマが中心となる場面で、さらに引き込む力を発揮します。描かれているのは、大げさな出来事というわけではなく、誰もが目にするような当たり前の人の営みであるというのに、その文章が怖いくらいに読み手の気持ちに切り込んできます。

派手なエピソードの連続で目を離せなくなる小説は数多いけれど、こうした抑えられた物語にもかかわらずぐいぐい読まされてしまう小説は、そうそうあるもんじゃない気がします。まさに『小説』の醍醐味を味わえたような読後感でした。
日本橋東部の過去100年栄枯盛衰叙事詩 ★★★★☆
今でいう東日本橋を中心に、両国、柳橋、人形町、浜町あたりの、ここ100年間くらいの栄枯盛衰。

大正時代くらいまでは日本の中心と言っても過言でなかった日本橋が、関東大震災、空襲で跡形もなくなっていく様子。
東京の「下町(文化?)」も、同時に失われてく様子。
それらが、著者の家族(親の代まで9代続いた老舗和菓子屋)の栄枯盛衰を縦軸に書かれてます。

ただ、このあたりの土地に興味なければ、まったく面白くないかもです。