漢方に関してのまとまった本となるとなかなか見当たりません。本書は漢方について症状からでも薬品名からでも検索できわかりやすくかつある程度の情報量もあって調べるのに好適です。他にサプリメントや鍼灸についての記述もありこの一冊でかなり間に合いそうです。最初から読んでも良いし必要なところだけピックアップしても良し、不定愁訴など西洋薬で思わしくないときなど役に立つと思います。

西洋医学では病名が決まれば治療内容もほぼ決まり、治療者の違いによる治療法の差はない。
漢方はというと、患者さんの体質や予備力、自覚症状以外の身体症状（ここ重要！）をこまかく鑑定し、病態の変化に応じて細かく処方をアレンジする。そのため西洋医学的病名は同じであっても、患者さんにより異なる処方になるいわばオーダーメイド治療であるのが特徴である。

ヒトの全ゲノムが解読されてきたなかで、最先端の西洋医学においても、患者さんの遺伝情報を基にしたオーダーメイド医療も試みられる方向にある。漢方は2000年以上前から既に個を重視した医療として使われてきており、長い経験に打ち出された漢方の効果が、実証主義の西洋医学と不思議と一致する未来もあるのではないだろうか。

本書は、
・病気・症状ごとに効く漢方の紹介
・漢方のあいうえお順索引
・漢方的サプリメント（アガリクス、ウコン、クロレラ、大豆イソフラボンなど多数）の紹介
・代表的なツボ
・漢方用語の解説
が載っており、一冊あれば未病対策が家庭で出来る大変お得な内容である。