【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:麻耶雄嵩/著 出版社名:講談社 シリーズ名:Mystery land 発行年月:2005年07月 関連キーワード:カミサマ ゲーム ミステリー ランド MYSTERY LAND かみさま げーむ みすてりー らんど MYSTERY LAND、 コウダンシヤ コウダンシヤ 2253 こうだんしや こうだんしや 2253、 コウダンシヤ コウダンシヤ 2253 こうだんしや こうだんしや 2253 小学四年生の芳雄の住む神降市で、連続して残酷で意味ありげな猫殺害事件が発生。芳雄は同級生と結成した探偵団で犯人捜しをはじめることにした。そんな時、転校してきたばかりのクラスメイト鈴木君に、「ぼくは神様なんだ。猫殺しの犯人も知っているよ。」と明かされる。大嘘つき?それとも何かのゲーム?数日後、芳雄たちは探偵団の本部として使っていた古い屋敷で死体を発見する。猫殺し犯がついに殺人を?芳雄は「神様」に真実を教えてほしいと頼むのだが…。
本当に子供向け???
★★★★☆
「ミステリーランド」シリーズの一作
2006年度版このミス 5位
これは本当に子供向けに書かれた作品なのか
かなり、ブラックな内容だった
しかも、このラストは???
多重解決ものの、真の解決を書かないバージョン???
「猫事件」の方は論理的には解決しなかった
また、「殺人事件」も真の解決はしなかった???
探偵(役)の絶対性や論理的に真実にたどり着くことを否定した作品だったのか???
とにかく、神の存在をどう捕らえるかにもよる
黒い童話風味
★★★☆☆
この作品の面白さは、「鈴木君」の存在に尽きる。
「神様」の前では、論理も動機も、意味がない。鈴木君がAだと言ったらAなのである。
鈴木君を神と認めないと、最後のアレの説明がつかない。
だから、否応ナシに鈴木君の言っていることを認めるしかないのである。
ミステリー小説として読むと、ロジックもへったくれもないので物足りない。
ただし、ある種の大人向け童話として読んだら面白いと思う。
至る所ににじみ出る邪悪
★★★★★
全体的に漂う雰囲気は子供向けを装ってはいるものの・・・
この本の本当の対象はむしろ成人でしょう。
ある種のビルドゥングス小説とも呼べるかも知れないが、神様が芳雄に告げる「真実」はいつだって(それが真実であるために尚更)残酷。
結末にも唖然。これが麻耶雄嵩作品ということを考えると納得。
値段は張るが是非とも読んで欲しい本です。
文庫化してくれればもっといろんな方に読んで貰えるだろうに…
とにかく、読み終わった直後、誰かに何か言わなければこの昂ぶりが収まらないような、そんな本でした。
すべては、すでに決まっている
★★★★★
小学四年生の芳雄のクラスに転校してきた鈴木太郎は、自らを神だと
称し、最近市内を騒がせている、連続ネコ殺しの犯人の名前を告げる。
そして、数日後には、密室状態の場所で変死していた
クラスメイトを殺した犯人のことも知っていると言い……。
とりあえず密室殺人に関しては、きちんと論理的手続きを踏んだ解明がなされます。
そこで導き出される結論も、芳雄にとっては十分つらく苦いものなのですが、結末で
作者が芳雄と読者に突きつける真実は、より酷薄で、救いがないものとなっています。
ロジカルな解明の後に、超自然的要素が立ち現れる、という点では、
カーの『火刑法廷』を彷彿とさせますが、論理と怪異が釣り合っていた
『火刑法廷』に対し、本作はそのバランスが崩れ、矛盾や齟齬が露呈
してしまっています。
ただ、作者からすれば、作品の整合性をあえて犠牲にすることで、
「すべては、すでに決まっている」という、圧倒的な不条理を表現
したかったのでしょう。
論理的な推理を積み重ね、答えを導き出しても、それが即真実であるとは限らない。
そして、たとえ真実がわかったとしても、自らを傷つける結果にしか繋がらない――。
そうした、おそろしく空虚で、絶望的なテーマを、淡々とした
筆致で描き切っているところは作者の面目躍如といえます。
ネタバレ注意
★★★★★
とてもすばらしい内容ですが、恐ろしい殺人、死亡事件が起こります。
子供の頃に読んだら、その晩は眠れないでしょう!
子供向けの装丁には賛成でいません!
あと、さいごの終わり方はよくないでしょう。
人間にとって、愛する者を失うことは、一番の天罰・天誅でしょうが、それでも、死んではいけない人を殺す天罰で幕切れはよくありません。
とにかく、よくできた、恐ろしい作品でした。