聖潔の生涯
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「日本人の生涯と言葉」によって日本人に伝達、宣証されるホーリネスのメッセージ、すなわち、全体の方寸において、システムを帯びており、同時に感覚や気分にのみ重点を置いたアッピールではなく、今少し論究的でありながら経験的、実践的である「ホーリネス・メッセージのシリーズ」のようなものが必要であると考えてまいりました。加えて、単に読み物としてそうであるばかりでなく、第二次大戦以降の宣教の奉仕において、信仰者の教導、建徳のために、この問題の理解と実践がもっと明瞭、正確に示されることの必要を久しい間しみじみと感じてまいりました。こうした面に留意しつつ、今日まで、あらゆる方面の働きに携わって来たわけでありますが、かかる努力の実の一つの現われとして、今日ここにこのような形体において「ホーリネス」に関する一書が日本の教界に送り出されるに至ったことは大変うれしいことと存じます。
もとより、内容はあらゆる点から見て完璧を期したものと考えておりませんし、従来闡明にされたことのない何らかの「新説」が発表されているのでもありません。上述のような重荷と必要感に迫られながら、戦後今日までの小さい奉仕の分野において、特に久しい間、毎月第三聖日午後に定期的に持たれている「丸ノ内中央講壇」において語り続けられた、聖別会のホーリネス・メッセージのシリーズの昭和二十七年度分が収集されたものであります。当初はその都度、「謄写印刷」の小冊子として数百部ずつ配布公表されていたものであります。しかし、各号とも直ちに売り切れてしまうような実状に、多くの所望者に不便をかけつつ両三年を経て来たわけでありますが、大方の所望に応えて、この度このような印刷形体で刊行の運びに至った次第であります。
その陰に多くの聖徒方の祈祷と協力と献財のあったことを覚え感謝する次第です。さらに続いて刊行されようとしている次年度のシリーズの上にも、神がいよいよ格別なる御手を加えてくださり、これらを読者諸氏の実践的なホーリネス・ライフの一資料として用いてくださることを切願しております。・・・以下略「発刊の辞」より・・・昭和29年12月浦和・聖宣神学院にて 蔦田 二雄