心温まる推理ミステリー
★★★★★
第二巻では、出島のマレー人やオランダ人を巻き込んでの謎の事件も、描かれています。
まるで「金田一少年の事件簿」のような見事な推理と謎解き。
推理ミステリーとしても面白いのですが、最後に明かされる「犯人」の心の軌跡の描き方が、すばらしい。
詳しく書くとネタばれになってしまうので、具体的に書けないのが残念ですが──
主人公が丸山の遊女、舞台が鎖国時代の出島、という舞台設定は一見、特殊です。
でも、一見特殊で濃密に圧縮された人間関係の世界ゆえに、かえって、普遍的な人情の機微を、自然に生き生きと描くことができる・・・・・・という、時代漫画の醍醐味を満喫させてくれました。
で、個人的には文句なしに星五つ
ここからが。
★★★★☆
本格的なものがたりのはじまりです。
父の無実を晴らすためにあえて遊郭に入った「かな」。
そんな彼女を助ける一切が謎に包まれた花魁の「金剛」。
帯に「金剛」の謎が描いてあるので書きますが。
「花魁」という女性の職業に就きながら、実は彼女は「男」です。
けれど彼は、密命の為にあえて女性になって行動している。
そんな「金剛」のアンバランスな部分、
そして、彼が負っているものが、
この巻から徐々に明かされていきます。
個人的には、「かな」と「金剛」の
つながりの深まり方がやや分りづらいなど、
欠点もいろいろあるのですが・・・。
佳作として推せる作品です。
どうぞどうぞ、1巻と共に購入を検討してみてください!