店の御威光に屈せず、不味いものはマズイ、とばっさり
★★★☆☆
雑誌の連載で日本各地の「麺」を食べ歩き、その「優劣」を決めていく企画である。
1年半で四百数十種のうどん、蕎麦、ラーメン、糸こんにゃく、もやし、キャベツ・・・(スパゲッティは少なかったなぁ)を食いまくるわけなので、かなりの強行軍。
1回の取材で5-10食くらい食べるのはザラ。
さすがのシーナさんももう若くない?全部食べずに1/3とか場合によっては2-3くちすすって終わりにしたり。
それで、優劣ちゅうか勝敗を決めていくんだから、はっきり言っていい加減。
基準も何もあったもんじゃなく、早い話がシーナさん以下同行者数名の好み次第。
「ネットの評価は個人の主観だからあてにならない」とか書いてますけど、あんたたちの評価だって主観以外のナニモノでもないでしょ?
とはいえ、有名店、行列の出来る店の御威光に屈せず、不味いものはマズイ、とばっさりやっつける豪腕は爽快。
あとは、個々の麺、個々の店の描写っちゅうか、そういったモノにもう少し紙面を使って欲しかった。
ま、もともと連載モノだし、アレだけの麺を一つひとつ詳しく取り上げとったら文字通り食傷気味になっちゃうか?
さて、皆さんご存知の「麺」たちは果たしていくつありますでしょうか?
椎名誠が“わしわし”食ってないのが少し寂しいが
★★★★☆
小説新潮に06〜07年にかけて連載されていた「麺の甲子園」を改稿・改題した作品。日本全国の麺を食べまくり、独断と偏見?で日本一の麺を決定するという企画物。
環境問題だとか難しいことは一切無しで、現地の店を訪れてひたすら食べまくる。そして、あらかじめ店に予約をするでもないので突撃ルポの様相を呈している場面が多い。椎名誠のおもしろさはやっぱりこれだよと思いつつ楽しみながら読んだ。
残念、というか寂しさを感じたことがひとつだけある。昔は、“わしわし”食っていたはずの椎名誠が今回はわしわし食っていないことだ。椎名誠も年をとるんだなぁと感じると同時に、わしわし食っている彼を知っている自分もまた年をとってしまったことを思いいつつ妙な感慨が湧いてしまった。