木曽の怪物 ——「日本妖怪実譚」より
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明治から昭和初期の劇作家・小説家である岡本綺堂の小説。初出は「文藝倶楽部」[1902(明治35)年]。父から聞いた物語であるという。明治23年の春3月、信州軽井沢に半月ほど逗留していたとき、2月から降り続く雪の中、鹿を売りに来た猟師が語ったものである。ここ信州の山奥では時々不思議な事があり、仲間では此れを一口に「怪物(えてもの)」と云い、猿のしわざとも、木霊とも、魔とも云うがその正体は解らない。3、4年前に三人で山奥に鳥撃ちに出かけたときに体験した怪談などが紹介されている。