日本探偵小説の父と呼ばれた鬼才、今も新鮮な作品世界の蠱惑が近年注目を集めている小酒井不木の作品集です。すべて新字・新仮名表記。詳細な目次をつけてあります。

「人工心臓」「痴人の復讐」などの推理短編４１編、不木の処女作がその一つであった『少年科学探偵』シリーズ１２編、「江戸川氏と私」などの評論９編を一冊にまとめました。

一流の医学者であり、エドガー・ポーの愛好者であった不木が紡ぎ出す怪奇・神秘と本格論理の魅力。安楽死、人工心臓などの今日的なテーマを既に俎上に載せていたその衝撃をお楽しみください。
収録作品は以下のとおりです。

「『小酒井不木集』はしがき」「誤った鑑定」「ある自殺者の手記」「安死術」「按摩」「遺伝」「犬神」「印象」「恐ろしき贈物」「怪談綺談」「外務大臣の死」「狂女と犬」「愚人の毒」「稀有の犯罪」「血友病」「好色破邪顕正」「死体蝋燭」「死の接吻」「手術」「新案探偵法」「人工心臓」「体格検査」「段梯子の恐怖」「痴人の復讐」「血の盃」「闘争」「謎の咬傷」「肉腫」「二重人格者」「猫と村正」「呪われの家」「初往診」「鼻に基く殺人」「卑怯な毒殺」「被尾行者」「秘密の相似」「変な恋」「暴風雨の夜」「三つの痣」「メデューサの首」「恋愛曲線」「錬金詐欺」「『少年科学探偵』序」「紅色ダイヤ」「暗夜の格闘」「髭の謎」「頭蓋骨の秘密」「白痴の知恵」「紫外線」「墓地の殺人」「塵埃は語る」「深夜の電話」「玉振時計の秘密」「現場の写真」「自殺か他殺か」「江戸川氏と私」「「心理試験」序」「「二銭銅貨」を読む」「「マリー・ロオジェ事件」の研究」「ポオとルヴェル」「ヂュパンとカリング」「国枝史郎氏の人物と作品」「科学的研究と探偵小説」「歴史的探偵小説の興味」