顎十郎捕物帳
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相模灘で発見された遠島船。無人だが、直前まで人がいたような様子。乗員はいったいどこに消えたのか……。
誰も接近不可能な状況で,被害者はいかにして絞殺されたのか……。
見せ物小屋の鯨は,どのようにして一瞬のうちに姿を消してしまったのか……。
長大な顎(あご)から“顎十郎”とあだ名された仙波阿古十郎の名推理ぶりを描いたこの「捕物帳」は、最初に奇怪・奇妙奇天烈な謎が発生し、それを個性たっぷりの名探偵が小気味よく解決していくという、きっちりしたミステリの骨格をもつ「古典的」名作です。
久生十蘭が1939年から40年にかけて書いた作品。現代的な密室ミステリーをいくつも含んだ、魅力たっぷりな連作集です。
推理作家の都築道夫氏は、この「顎十郎」に触発されて『あやかし砂絵』シリーズを書き、後にはついに『新顎十郎捕物帳』という作品まで書くに至っています。