右門捕物帖(全)
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ごぞんじ「むっつり右門」が活躍する佐々木味津三の人気シリーズ『右門捕物帖』全38篇を一冊にまとめました。
「おしゃべり伝六」や「あば敬」など多彩な登場人物がからむ中、むっつり右門こと八丁堀同心・近藤右門が奇想天外な事件をあざやかに解決していく短編小説の連作です。
新字・新仮名、全篇とも目次つきです。
『右門捕物帖』は「捕物帖」の歴史からみると岡本綺堂の『半七捕物帖』の後を継ぎ、野村胡堂の『銭形平次捕物控』に先だちます。
もともと「純文学」を志していた佐々木味津三ですが、芥川龍之介の鼓舞なども得てこの「右門捕物帖」や「旗本退屈男」の連作を発表し、国民的な人気作家になりました。
直木三十五や林不忘などと同様、流行作家として作品に心血を注ぎ、三十代の若さで亡くなっています。しかし、彼の創造した主人公たちは、嵐寛寿郎・大友隆太郎による「右門」、市川右太衛門による「退屈男」の人気もあいまって、永遠のヒーローであり続けています。