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Scribes and Illuminators (Medieval Craftsmen)

価格: ¥1,155
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: British Museum Press
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中世ヨーロッパの本づくり ★★★★★
大英博物館が出版している「中世のクラフトマン」シリーズの中の一冊である本書は、中世ヨーロッパにおける本の作り方について、豊富な写真図版とともに解説したものです。
まず最初に羊皮紙の作り方を説明してあります。同時に、紙の作り方も書いてあります。原料は違っても、手すき和紙づくりの光景が目に浮かぶ日本人にはイメージしやすいと思います。
羊皮紙は動物の皮から作ったわけで、動物の皮は結果的に長方形になります。それをノートのように折りたたんで本を作っていたがために現代でも本は基本的に縦長なのだ、という指摘もなされています。
つづいて話は本の原料から本を実際に書く人に移ります。羊皮紙の準備の仕方や羽ペンの作り方からインクづくりに至るまで、自分でもやってみることができそうな程詳しく書いてあります。
それから、(現代の絵本にもあるような)装飾大文字やさし絵などを入れる写本装飾の解説があり、現存写本の実例写真や当時の「写本の絵の描き方マニュアル」のような物を参照しながら、
さまざまな顔料の作り方、金箔の貼り方、各種技法などを丁寧に述べています。最後に、写本の綴じ方と製本方法についてざっと解説があります。
写真も多くて薄い本ですが、文章は2段組で、中世ヨーロッパにどのようにして本が作られていたのかがひととおりわかるように書かれています。現存する中世写本や文献類のみならず、
現在のクラフトマンたちの作業(現代の羊皮紙生産業者やカリグラファー等)も参考にして編まれた本であることもあってか、臨場感溢れる解説になっており、中世の書籍製作がありありとイメージできる本です。
写真はオールカラーではありませんが、カラーであって欲しい写真はカラーになっており、本文の理解を助けてくれます。写真のキャプションには写本の番号等は記載されておらず、巻末に情報をまとめてあります。文献表つき。