父親の莫大な遺産を注ぎ込み、映画『地獄の天使』を監督したハワード・ヒューズは、映画のために私有空軍まで持つ破天荒な行いとキャサリン・ヘップバーンなど数々の女優との恋愛で、ハリウッドの寵児となる。また航空会社も買収するなど、話題に事欠かなかった。そんな彼も中年になると精神を病んでいき…。
レオナルド・ディカプリオ製作&主演、マーティン・スコセッシ監督作の本作は、ディカプリオ念願の企画というのもうなづけるほど、彼の情熱がスクリーンにほとばしっている。ハンサムでリッチで才能豊かな男の裏の顔、神経質で偏執的で身勝手なふるまい、常軌を逸する一歩手前までのヒューズのギリギリの精神状態を見せていく、ディカプリオ渾身の演技は巧さに加え凄味さえ感じられ圧倒的。1920年代のハリウッドをクラシックなムードに流されずエキサイティングに演出し、映画作りも航空ビジネスも恋愛も、常に強気で突き進む、人生勝つことしか頭にないハワード・ヒューズという人物のドラマがうねりながらスクリーンに息づく、スコセッシ監督の職人技にも惚れ惚れする傑作。(斎藤 香)
飽きちゃうかも
★★☆☆☆
伝記ものなので、エンターテインメントを期待してはならないとわかっていたのですが、感情移入できなかったりして、実際よりも長く感じました。
原因は、現在の彼の性格や行為が普通の人と変わっているのに、その理由を知らせるためのエピソードが少なかったり、周りの人物描写が分かりにくく、彼の何に惹かれたか分からなかったり…
最後の、未来への道の真意もよく理解出来ませんでした。
やはり、彼に関しての知識を改めて身につけていないとだめな映画だったのでしょうか。
自分との葛藤シーンでは、少し不明な内容ながらも努力が伝わってきました。
市民ケーンの伝統にならい
★★★★★
過去の偉人の個人史をえがきました。
この場合、具体的にいきつづけている権力の諸関係から、現代でも直接・間接の影響をこうむります。
その危険を知りつつつくられた作品なのでしょう。
観終わってよかったと思う映画。
★★★★★
非常に良かった。
豪快。
金や女とか色々と。
終盤に精神が崩壊していくところでも、事業を考えて、
潔癖であるが、引きこもってとか、
そのあたりもなかなか人間的なところが見えた。
3時間と長かったが、非常に良かった作品。
鬼才経営者
★★★★☆
ハワード・ヒューズという鬼才経営者を描く作品。
親から相続した財力を武器に、強引に自分のやりたいことをやり抜く。
ヒューズに感情移入するような映画ではないが、公聴会で上院議員をやり込める
ところは、スカッとする。ある意味この映画のハイライトの一つだ。
ディカプリオは、ベビー・フェイスなところが彼の弱みであるが、それを振り払うべく、
ハワード・ヒューズ役を熱演している。
ケイト・ブランシェットは、相変わらず完璧な役作りで感心。
トータルでは評価の難しい映画であるが、主人公が経営者でもあり、
ビジネスマンには結構面白いんじゃないだろうか。
映画の中から発展とは何かを考えてみる
★★★★☆
アビエイター DVD 2005
米国の大富豪 ハワードヒューズ(1905−1976)の生き様を描いた映画。
映画製作、航空機産業への参入、技術者としても経済人としても天才だったのだろう。
今でも彼の名前を冠した巨大と言ってもよい医学研究所がアメリカにはある。
技術開発が発展への基盤となった1940年代からのアメリカを映し出している。空を制したものが世界を制する。パンナムとTWAとの議会を巻き込んだ抗争。ハワードヒューズの公聴会での逆転サヨナラホームランとでも言うような自由競争への執念。
やがて精神を病んでいく姿も何かアメリカを象徴しているように見てしまった。
Way of futureという言葉のリフレインで物語は閉じていく。未来への道。
ふと思った、今、科学と技術だけが未来を本当に作るのかと。