夢かまぼろしか、目の前にひろがる3時間のパノラマ。※実はまだまだ現役商品です!
★★★★☆
万博開幕から1年とちょっと経った、1971年4月公開(日活&大映系では2日、松竹系では3日から。3つの系列でほぼ同時公開という、超ブロックバスター!)。
大阪万博の年は“年長さん”で、実際に行ってきた母方の祖父と祖母からもらった公式ガイドブックのカラフルな広告を見ながら、漠然とあこがれをふくらませていたオレだった。この映画も劇場で観ているはずだが、どうもよく覚えていない。その理由は、今回久しぶりに再見してみて、よーくわかった。
実はこの映画、子ども目線で見ると、大阪万博のあれが見たい、これが見たい、というアンケートで上位に来ると思われるモノをことごとくメインから外した構成になっていて、退屈なことこの上ないのだ。だから当時、万博にハマった子どもたちも、この映画にはハマれず、映画館の通路を走りまわっていたのではないか(ひょっとすると、オレも)。
で、確かに3時間の大半は芸術的で高尚な雰囲気の映像が延々と続くのだが、一方で冒頭の空撮、開会式や閉会式でそっと涙をぬぐう技術畑の?おじさん、太陽の塔の“第4の顔”、ケロヨン、スカンジナビア館の流暢な日本語を話すコンパニオンさん、感動的なラストなど、グッとくる部分も少なくないし、オトナの目線で見れば、なかなかに興味深い記録となっていると思う。
画質も音質も上々。クリア・アウターケースつき。カラー・ポストカード3枚、カラー8ページ解説書―復刻版万博会場マップも掲載―もついている。
ところでこのDVD、まだまだ現役商品で、あちこち探してみると比較的スムーズに手に入ることもあるようだ。
いや、3時間と言わずもっとどっぷりつかりたい、ひとつひとつのパビリオン等をじっくり見たい! という方には、トータルでたっぷり11時間の『日本万国博 《40周年記念》 DVD-SET』をおすすめしておこう。
高度成長期のパワーを感じることができるドキュメンタリー
★★★★☆
このDVDからは大阪万国博へかける日本国のパワーを感じることができます。高度成長期で国民が一丸となってエネルギーを爆発させることができた時代の雰囲気のようなものです。
この博覧会では各国の力の入れように感動します。多種多様な展示物はもちろん、各国の人々の特技や伝統芸能披露まで各国の国民性を体感することのできるイベントが多く収録されています。
日本も外国に負けてはいません。日本の各企業館では技術の粋を結集した作成物が展示され、日本各地の祭りの実演など日本の文化の紹介に努めています。
私は当時小学三年生で2回行きました。その時の断片的な記憶がこのDVDにより確かな映像としてよみがえってきました。そしてその当時の万博にかける人々の熱気も思い出すことができました。
2005年の愛知万博に関してもこのようなドキュメンタリーDVDを作成してくれないかなと期待しています。
あの頃、僕はそこにいた
★★★★☆
記憶はおぼろげだけど、入場切符や迷子バッチは手元にあるから行った事は確かだ…どちらかというと僕は遠足で行った万博公園、デートで行ったエキスポランドの方が馴染みがあるのだが。しかし普段は流行に乗らない僕の親でさえ二回も会場に足を運ばせた、さすが日本で開催された戦後最初の世界的文化イベント。実際月の石を見たかどうかは覚えていないけど、一種独特な会場の雰囲気、夜空に立つエキスポタワー、太陽の塔の内部、そしてイラスト標識は辛うじて覚えています。このDVDは真面目な内容ですが、元々僕はドキュメンタリーが好きなので観る事により仮想の懐かしさ、ノスタルジックに浸ることができました。
今なお人々に訴える何かがある
★★★★★
当時千里に在住していて
まだベビーカーに乗せられていた自分にとっては、
とても貴重な映像の連続に涙腺が緩みそうになります。
万博会場のまわりの風景も当時とはかなり変わってしまいましたが、
この映画の中ではあの時のままです。
当時の服装、当時のヘアスタイル、
当時の子供たちのいたずらや落書き、
そして当時の人々の興奮や希望...
すべてがあの時のまま封じ込まれているのです。
あれから36年、私たちは毎日暗いニュースに飽き飽きしながら、
未来に希望を持ちにくい世の中にしてしまいました。
そんな中、
大人たちが子供のように目を輝かせているこのEXSPO'70には、
今なお人々に訴える何かがあるような気がしてなりません。
この映画を観て何かを思い出すきっかけになれば幸いです。
生きている大阪万博!
★★★★★
大阪万博開催の時、私は生後5ヶ月の赤ちゃん。
無論、行っていない。
しかし、現在、転勤で大阪府箕面市に住んでおり、万博公園までは車で15分くらいなのでよく行きます。
とにかく広い。2年前には子どもが公園内で迷子になり発見すろのに2時間かかった。
とにかく広いのと、やはり「太陽の塔」のインパクトに驚いた。
仕事柄いろいろな都市に行き、公園や史跡を見てきたが、この2つを持って圧倒されてしまった。
太陽の塔は高速道や国道からも見えるが、実際に間近でみると「なんじゃ、こりゃー」「ひえーでかい!」なのである。
理屈を超えているのである。
それから興味を持ち始め、本作を購入。
そこから感じるのは、当時の人々のワクワク感の強さだ。
まだ日本は躍進するのだ、未来はいろいろあるが明るいのだという雰囲気。
このDVDは万博記録であるとともに、人・風俗の記録でもある。
外人なら誰でもサインをねだったり、外人からサインをねだった女子中学生がやたらお辞儀を繰り返す姿などをきっちりとらえていた。
あと日本人の見事な黒髪がやたら目立った(最近は茶髪が多いので)。
最期に気になったのは、やはり太陽の塔である。
「人類の進歩と調和」がテーマなのに、なぜ怒った顔をしているのか?
人間の浮かれ気分、偽善に対して、にらみを利かしているのではないか。
本作を何度かみていたら、そのような気がした。