なかなか面白いですね
★★★★☆
5篇の短編がおさめられているが、どの作品も面白く読ませていただいた。
どれも男と女が絡んだ微妙な物語であるが、表題の飛ぶ想いなどは、短編の中にも女性の心の動きがうまく表現されている。女性の母性本能と過去の苦い思い出が絡み合い、最後まで捨てきれない男への想いがうまく表現されていた。
So What などどうしてもマイルス・デイビスのアルバムが頭にちらついてしまったが、私などは主人公のように強くなれそうもない。
記憶のふるえに至っては、確かにこんな嫌な奴も世の中にはいるもんだと頷いてしまった。自分の実力を過大評価した目出度い男なのであるが、反面、学ぶこともある。
短編集なので、通勤電車などの短い時間で話がまとまるまで読みきれるのでお勧めしたい。