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聖なる幻獣 (集英社新書ヴィジュアル版)

価格: ¥1,155
カテゴリ: 新書
ブランド: 集英社
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インドのど派手な幻獣の由来がわかります ★★★★☆
インドや東南アジアを旅しているとよく見かける、一見不気味な獣たちの像。
知らない人には十把ひとからげに見えるこういった像ですが、もちろん、それぞれに由緒があり、それがそこにある意味があるわけです。

そんな、馴染み深いようなそうでもないような「幻獣」について、豊富な写真とともに説いていくのが本書です。
登場するのは「キールティムカ」「マカラ」といった聞きなれない(でも実は、意外と見たことがある)ものから、竜や一角獣といったわりとメジャーなところまで、いろいろ。
舞台はいちおう世界各地ですが、インドが過半数といった感じです。

「シャチホコって古代インドの幻獣「マカラ」だったのか!」
「日本の鳥居ってインドに起源があるんだ」(これは諸説あるらしいですが)
と、思わぬ発見があって面白かったりもします。
楽しい幻獣 ★★★★☆
 著者は仏教学・インド学の専門家。
 本書は、豊富なカラー写真を使いつつ、「幻獣」の歴史や東西伝播について論じたもの。
 取り上げられている幻獣は、キールムティカ、マカラ、ガルダ、キンナラ、一角獣、メデューサなど。ちょっと馴染みのないものもあるかも知れないが、キールムティカとはインドなどで見られる顔だけの幻獣である。装飾としてしばしば彫られるのだが、その起源と意味をたどり、メデューサなどと結びつけていく展開は面白いの一言に尽きる。マカラはキールマティカとともに描かれることの多い海の怪物であるが、「水」のイメージを体現しつつアジア各地で変容していき、日本の金比羅にもつながっていく。
 取り上げられている幻獣の姿そのものが面白く、なかおつ文化的にアジア全域、さらには西洋世界をも視野に入れて放してくれるのが魅力的。
 素敵な幻獣である。